iPhoneで撮影した写真を写真アプリで表示すると、画面上部に行政区分や施設名が表示されます。「横浜市西区-みなとみらい」や「辻堂海浜公園」といった具合に、ひと目見ればどこで撮影された写真かがわかります。無効化したうえで撮影するか撮影後に取り除くかすれば、行政区分や施設名が表示されることはありません。
写真の位置情報は、緯度経度の数値情報として写真に埋め込まれています。前述した行政区分や施設名は、表示されたとき(インターネット上の)データベースから緯度経度をもとに割り出されます。「横浜市西区-みなとみらい」や「辻堂海浜公園」といった文字列が埋め込まれているわけではありません。
過去に撮影された写真の位置が変化した場合、たとえば撮影した浜辺が埋め立てられ公園になった場合、現在の公園の名称が表示されることになります。実際、現在はショッピングセンターに変貌している工場の写真を表示したところ、撮影時の企業名ではなくショッピングセンターの名前に変化していました。行政区分の名称変更は滅多に行われませんが、建物は立て替えられるため、知らない施設名が表示されても不思議ではありません。
しかし、施設名を残せないわけではありません。単純に緯度経度から割り出される施設名は、最新の情報に変わってしまいますが、撮影時の名称をキャプション欄に入力しておく、パソコンに転送するときファイル名の一部に使う、といった工夫で残すことができます。
この方法を使えば、取り壊しが決まっているビルも、再開発が予定されているエリアも、撮影時点の行政区分/施設名付きで写真として残せます。入力作業がひと手間ですが、検索にも使えるためムダにはなりませんよ。