日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)は、2024年モデルの冷蔵庫を10モデル発表しました。新製品はプレミアムモデルからスタンダードモデルまで幅広くラインナップ。一番の注目はプレミアムモデルの「まんなか冷凍 GXCCタイプ(R-GXCC67V)」です。GXCCタイプは従来モデルから搭載している「冷蔵庫カメラ」がより進化しています。
冷蔵庫は各メーカーにさまざまな特徴がありますが、日立におじゃまして実機を体験し、 日立のプレミアム冷蔵庫ならではの便利さをチェックしてきました。GXCCタイプは670Lサイズの冷蔵庫で2月下旬に発売予定。価格はオープン、推定市場価格は530,000円前後です。
カメラ機能が大きく進化! アプリは今後にも期待
まずはやっぱり「冷蔵庫カメラ」の存在。冷蔵室のドアを開けるたびに、本体天面に配置したカメラが冷蔵庫内を自動撮影するという機能。撮影した写真は専用アプリで外出先からチェックでき、「在庫があったのに買い足してしまった(切れていたのに買い忘れてしまった)」といった失敗を防げます。買い物先で「牛乳と玉子はあったっけ?」と、気軽に冷蔵庫内をチェックできるのはかなり便利です。
従来モデルの内蔵カメラで撮影できるのは「メイン冷蔵室」と「ドアポケット(左右)」だけでしたが、新製品は「メイン冷蔵室」と「ドアポケット(左右)」に加えて、引き出し式の冷凍室と野菜室も撮影できるようになりました。
実生活では多くの場合、引き出し式の冷凍庫や野菜室は全開でオープンにはしないと思います。このため、実際に使ってみると冷凍庫や野菜室は庫内手前の一部のみ撮影されることがほとんどでした。
とはいえ「よく利用するものを(写真に写りやすい)手前に置く」などの工夫をすれば、有効に使えそうです。現在、カメラ付き冷蔵庫は他社からも発売されていますが、冷凍庫や野菜室まで撮影できるのは日立の新型GXCCタイプのみ。冷蔵庫内の在庫確認機能を重視するなら、今回のGXCCタイプはかなり優秀です。
新製品では、専用アプリに画像解析機能も搭載されました(2024年3月下旬以降に利用開始予定)。撮影した画像から食材の画像を切り抜いて、リスト化するという機能です。
それぞれの画像に「缶ビール」「ヨーグルト」といった食材の名称を入力することで、ユーザーが冷蔵庫内の食材を効率的に管理できます。うまく使えば重宝しそうではありますが、実際には買い物のたびに名前を入力するのは正直面倒とも感じました。この機能に関しては、将来的に画像をもとに食材の名称まで自動でリスト化できるようになることに期待です。
広い冷凍室、まるごとチルド、基本性能の高さも魅力
今回はカメラ機能が進化しましたが、GXCCタイプは以前から冷蔵庫として充実した機能を搭載しています。新機能ではありませんが、個人的に気に入っているのは大きく使いやすい冷凍室。冷凍室はすべてあわせて194Lとかなりの大容量です。日立によると、これは買い物カゴにして約3.1個分とのこと(製氷室ぶんの容積は含まず)。食材の高騰で「まとめ買い」をする家庭が増えたいま、広い冷凍室はそれだけでありがたい存在!
もうひとつうれしい点は、メインの冷蔵室が「まるごとチルド」に対応していること。冷蔵室は一般的な冷蔵室より低い約2℃の低温なので(設定変更も可能)、わざわざ肉や魚をチルド室にいれる必要はありません。
そのうえ、冷蔵室は冷却方式の仕組み上どうしても乾燥して食材がカピカピになりがちですが、「まるごとチルド」は湿度を低下させない特殊な構造。ラップなしでも食材を美味しく保存できます。ラップの節約になるだけでなく、「ラップをかける」「食べるときにラップを外す」という毎日のちょっとした一手間を減らせるのはありがたいものです。
日立初の「まんなか新鮮スリープ野菜室」搭載モデルも登場!
日立の冷蔵庫は基本的に引き出しの上段が冷凍室、下段が野菜室の「まんなか冷凍室」を採用しています。今回の新製品群では、日立としては初となる「新鮮スリープ野菜室」を真ん中に配置した冷蔵庫「VWタイプ」も発表されました。発売日は2月下旬で、推定市場価格は容量570LのR-VW57Vが440,000円前後、500LのR-VW50Vが390,000円前後です。
新鮮スリープ野菜室とは、日立独自の野菜長持ち技術を搭載した野菜室のこと。プラチナ触媒と湿度保持技術を使うことによって、シナシナになりやすい葉物野菜も約10日間みずみずしいまま保存できるとしています。
新鮮スリープ野菜室はもともと「野菜が驚くほど長持ちする」と評価の高い優秀な機能でしたが、野菜室が「まんなか」になったVWタイプは「野菜の取り出しやすさ」も格段にアップしています。冷蔵庫は野菜重視! というユーザーにとってうれしいモデルとなるはずです。