◆ 松井監督「外野のレギュラーはいない」
2月1日から多くの球団が春季キャンプを開始するが、西武は昨年に続き同6日にキャンプイン。例年通りA班は宮崎県日南市南郷町、B班は高知県高知市春野町で汗を流す。昨季は投手陣がチーム防御率2.93と奮闘するも、攻撃陣がリーグワーストの435得点と振るわずリーグ5位。松井体制2年目となる西武キャンプの見どころを探る。
●12球団屈指の先発陣、ローテ争いは激戦必至
昨季は平良海馬、髙橋光成、今井達也の2ケタ勝利トリオに加え、2年目だった隅田知一郎も9勝をマーク。松本航と與座海人は80イニング以上を消化しともに防御率3点台と、若き先発陣の安定感が光った。昨秋のドラフト会議では目玉投手の1人だった武内夏暉(國學院大)を3球団競合の末に獲得。今年は先発で勝負する青山美夏人、さらに渡邉勇太朗、羽田慎之介ら期待の若手もおり開幕ローテ争いは激戦必至だ。
●甲斐野ら加入で救援陣も充実、抑え争いにも注目!
リリーフ陣は、昨年それぞれ手術を行った森脇亮介と佐々木健が長期離脱中。それでも、ソフトバンクへFA移籍した山川穂高の人的補償で甲斐野央、新助っ人として昨季メジャーで45試合に登板した右腕のアルバート・アブレイユ、最速159キロ左腕のジェフリー・ヤンを獲得。さらに、ドラフト2位の上田大河(大商大)、同5位・宮沢太成(四国IL徳島)、同7位・糸川亮太(ENEOS)の3投手も即戦力候補の救援タイプで陣容は分厚くなった。昨季は抑えの増田達至が防御率5.45と不振。増田の復調に期待するとともに、アブレイユや甲斐野らと繰り広げるであろう守護神争いにも注目が集まる。
●得点力アップのカギを握る左右の新大砲
課題の攻撃陣では、本塁打王3度獲得の山川と昨季チーム2位の15本塁打を放ったデビッド・マキノンが退団。代わりにメジャー通算114本塁打を誇る右打者のヘスス・アギラー内野手と、メジャー通算27本塁打の左打者フランチ―・コルデロ外野手を獲得した。新助っ人が早い時期から日本野球に適応することができれば頼もしいが、共倒れのようなことになると今季も苦しくなる。渡部健人や蛭間拓哉ら既存戦力のレベルアップに期待しつつ、まずは両大砲の仕上がり具合をじっくり見守りたい。
●決め手を欠き続ける1番打者&外野争い
昨季は100試合以上に出場した外野手が1人もおらず、松井監督は改めて「外野のレギュラーはいない」と3枠とも白紙であることを明言。秋山翔吾(現広島)の退団以降、適任者が現れていない“1番打者問題”も未解決のまま。投手陣がより盤石になりつつある一方、攻撃陣はまだまだ不透明な部分が多く改善に時間がかかりそうだ。