「とにかくプロの厳しさを教えてもらったというか、1年間毎日野球をやらなきゃいけないので、そこがアマチュアと1番の大きな差で、毎日良いコンディションで朝を迎えるのは足りなかったのかなという反省がある。そういうところを勉強しながら、実戦できるイメージを持ちながらやっていますね」。
ロッテの育成・黒川凱星はプロ2年目を迎えるにあたって、昨季の反省を踏まえて自主トレに励んでいる。
プロ1年目の昨季は同級生の金田優太、育成の勝又琉偉がファームで実戦経験を積む中で、黒川は18試合の出場にとどまった。「半分以上怪我で出られていないので、同級生が試合に出ると、すごく焦る気持ちもあった。ただ、体のことについて多く勉強するようになった。そういう面では、あの2人よりいい勉強ができたのかなとポジティブに捉えています」。
去年は22年盗塁王の髙部瑛斗、18年と19年に2年連続24本塁打を放った井上晴哉など一軍で活躍したことのある選手たちがファームにいることが多かった。
「自分から聞くこともあれば、教えていただくこともあって、考え方、日々の過ごし方がプロだなと感じました。僕の年齢に近い選手よりは、1つ2つ意識が違うなというのは感じましたね」。
「共通点はとにかく野球のために活躍されている人は力を本当に入れている。これ以上やるのかという感想を持ったので、それだけやらないといけないんだなということですね」。
プロの世界で生きる厳しさを改めて知った。昨季は年齢で言えば1番年下だったが、今季も松石信八、髙野光海(黒川と同学年)、藤田和樹、富山紘之進と支配下選手登録を目指す、育成野手のライバルが増えた。
「ライバルもそうなんですけど、どれだけ自分が自分を出せるかだと思う。そういった面では周りを気にせず。自分がやるべきことをブラさずに去年はできなかったので、今年はそこをやって結果がついてくれば正しかったとなるので、今はそういう感覚ですね」。
今季は「二軍でどうとかじゃなくて、いちばんの目標は一軍の試合に出ること。一軍の試合に出るために必要なことを取り組んでいければいいなと思います」とキッパリ。
具体的に一軍の試合に出るために必要なことについて、「野球選手としてのスキルがいちばん大切なんですけど、昨年は体調がうまくいかなくてと練習ができなかったという1年だったので、とにかく良い練習がしっかりできるようにして、やれれば自分のやりたいこともやれて技術もついてくる考えでいる。そういう1年にできたらと思います」と話した。
一軍で実績のある石川歩をはじめ、菅野剛士、河村説人、今季から育成選手として加入した二保旭、吉田凌と実績のある選手も多く、支配下選手登録の“枠”を巡る競争が熾烈。一軍の試合に出るためには、打って背番号3桁を卒業するしかない。
取材・文=岩下雄太