ロッテ・秋山正雲[撮影=岩下雄太]

 「体調を崩さないで1年間投げ通すことが目標です」。

 3年目を迎えるロッテ・秋山正雲。昨季は対外試合初戦となった楽天モンキーズとの国際交流試合に先発したが、一軍登板はなく、シーズン通してファームで過ごした。

 昨季を振り返ると、先発だけでなくリリーフで投げることも多く、先発は22登板中7登板。7月6日の巨人二軍戦を最後に先発はなく、7月16日の西武二軍戦以降の13登板は全てリリーフでのマウンドだった。

 フェニックス・リーグでは10月12日の四国IL選抜戦で、久しぶりに先発しプロ入り後自己最長の7イニングを投げた。リリーフで経験したことが先発で活きたかと訊くと、「中継ぎやって感じたのは準備のことなので、長いイニングを投げるから変わるということはなかったですね」と振り返った。

◆ ストレート

 昨年の自主トレは体幹を意識したトレーニングを積んできたが、シーズン途中から「細かいことではなくまずは自分のボールを投げる、腕を振ることを意識してやっています」とストレートの強さを求め取り組んできた。

 このオフは「今はチームに求められているというか、球速を上げることを目的としてやっているので、(球速を)上げるための下半身の移動だったり、移動する速さを求めてやっています」と明かす。

 今オフは自分のやるべきことが明確にあるため、一人で自主トレを行なっている。

 1月14日の取材時点で、キャンプに向けて最高な準備ができているかと問うと、「もうちょっとやることはあるんですけど、最高の形で入れるようにしたい」と話した。

 昨季までの2年間は一軍登板がなく、今季は「(一軍で)勝ちたいですけど、まずは一軍でデビューを目標」と掲げる秋山。2月1日の春季キャンプ、その先の練習試合では「できれば球速を上げてキャンプに行きたいので、そういう部分を見せていきたいですし、球速を上げようとして力が入ると、高めにボールがいったりしてしまうので、それを抑えながら低めは強いボールをアピールできたら良いなと思います」と意気込んだ。

 サウスポーは貴重な存在。「球の質とかですか、ベース盤、バッターの手元で伸びるようなボールを見せたいです」。他の左投手との違いを出して、一軍に食い込んでいきたいところだ。

 「(去年は)投げるというよりは体調を崩したりして投げられないことが多かった。体調の面で自分で管理しながら、その中で試合に臨めたら良いなと思います」。二木康太、種市篤暉など高卒3年目に一軍定着したケースが多い。3年目の今季一軍デビューを飾り、ブレイクして欲しいところだ。

取材・文=岩下雄太