安田章大が、PARCO PRODUCE 2024『あのよこのよ』の主演を務めることが19日、明らかになった。
同作は青木豪作・演出による新作。パルコ・プロデュース公演で2019年に初めて作・演出を手掛け、安田と古田新太を迎えて上演した『マニアック』に続く第2弾として、笑いのエッセンスをそのままに斬新なストーリーを届けていく。物語の舞台は江戸の幕末から大転換期を迎えた明治黎明期。とある浮世絵師とそれを取り巻く人々がひょんなことから事件に巻き込まれ珍道中に繰り出すことに。先行き不透明でどこへ向かっているのかさえ分からないご時世に、足が地に着かない人々が戸惑い彷徨うさまを、青木特有の作風で爽快感あるエンターテインメントへと昇華させる。
主演を務める安田は、明治初期を生きる架空の浮世絵師・刺爪秋斎(サシヅメシュウサイ)を演じる。5年ぶり2度目のタッグとなる青木による当て書きと、予測不能な展開により、これまでになく大暴れする。ひねくれたユーモアと笑い、そして切なさに粋な音楽を織り交ぜた新感覚のオリジナルストーリーとなる。
東京公演はPARCO劇場にて4月8日~29日、大阪公演は東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて5月3日~10日。
■青木豪 コメント
おそらく震災のあとぐらいから、現実感のない日々が続いている。一度も降りたことのない駅に寝過ごして来てしまったような、途方に暮れる日々が続いている。
こういう感覚を芝居に出来ないものか、と朧げに考えていたらパルコさんから「安田くんと痛快な時代劇をやりませんか?」とお誘いをいただいて。それで思い出したのは「マニアック」という芝居でご一緒して以来、安田くんの芝居にしろバラエティにしろドキュメンタリーにしろ音楽にしろ、とにかく安田くんの活動を見ていると、僕は意味もなくポジティブになれるということで。
だからこの『あのよこのよ』という作品は「こんな時代になると思わなかった、な明治初期」の「なぜだかポジティブになれる痛快時代劇」になるはずであります。
グチャグチャな気分をポジティブに変えたいという方々、是非お越しくださいませ。
■安田章大コメント≫
『マニアック』以来5年ぶりに青木豪さんとご一緒させていただきます。5年前の自分とは芝居に対する感じ方や考え方、取り組み方が大きく変わり、これからまた一緒に1つの作品を創り上げていく時間が楽しみです。
青木豪さんが作るエンターテインメントは真面目とおふざけの振り幅がすごく広くて、その行ったり来たりする面白さに加えて、『あのよこのよ』というタイトルの通り、物語を見ていただくと浮遊している自分をどこかで感じてもらえたり、どこの世が事実で、自分がいる本当の世界なのか…こういうちょっとした不思議さを感じられる作品になっていると思います。
僕自身久しぶりの時代物です。髪の毛を伸ばしていた理由はここにありました(笑)江戸が終わり明治維新、この時代を生きている僕を楽しんでもらえたら嬉しいです。そして、登場人物たちが青木さんの描く世界の中でどのようにうねっていくのかというところにもぜひご注目ください。眼鏡にちなんだエピソードもお楽しみに。
【編集部MEMO】
『あのよこのよ』あらすじ…舞台は明治初期。浮世絵師・刺爪秋斎(安田章大)は、新政府を批判したとして番屋に入れられていたが、初犯ということもあり解放され、迎えに来た弟の喜三郎と、居酒屋で宴を共にしていた。そこで秋斎は喜三郎から出所祝いとして眼鏡をプレゼントされ喜んでかける。さらに秋斎は居酒屋に居合わせた、未来が見えるという能力のある常連・フサに占ってもらうと、「女に出会う」と告げられる。「その女が秋斎の未来を決めるだろう」と。そこに美しい女が男と共にやってくる。秋斎が出会う女性は彼女なのではないかと話していると、突如、刀や銃を持った男たちが現れる。そして男たちは秋斎たちに襲いかかって来るのだった……。