ナリス化粧品はこのほど、「男女の更年期や配偶者の更年期についての意識調査」の結果を発表した。調査は2023年12月16日~2024年1月4日、40歳~59歳の男女4,404人を対象にインターネットで行われた。
40歳~59歳の女性「更年期の症状がある」は4割
40歳~59歳の女性2,025名に、更年期の症状があるか否か聞いたところ、「とてもある」8.0%と「まあまあある」31.8%と併せて39.8%で約4割の女性が更年期の症状を自覚していることがわかった。これを5歳ごとの年齢で見てみると、最も多いのは50歳~54歳で「とてもある」13.3%、「まあまあある」37.5%で合わせると50.8%で半数を超えている。一般的に女性の更年期は50歳をはさんだ前後10年程度と言われているが、個人による差が大きいこともわかった。
また、45歳~55歳の配偶者・パートナーがいる45歳~59歳の男性1,351名に、配偶者の更年期症状に気づいているか否か聞いた。「とても感じる」13.4%と、「まあまあ感じる」36.0%を会わせて49.4%であり、更年期の自覚症状を感じる女性の割合と合致する。
45歳~59歳の男性「更年期症状を感じる」は6割
45歳~59歳の男性584名に、自分自身に更年期症状を感じるか否か聞いてみたところ、「とてもある」14.7%、「まあまあある」46.9%で合わせると61.6%と6割を超えた。女性の「とてもある」8.0%、「まあまあある」31.8%の合計39.8%と比較で、男性の方が自身の更年期症状を自覚している割合が多いことがわかった。女性は50歳~54歳が最も自覚症状を感じている割合が多かったが、男性は歳を重ねるほど割合が増え、55歳~59歳が最も自覚症状を感じている割合が多いことがわかった。
男性で自身の更年期症状を自覚していると答えた360名に、配偶者・パートナーの理解があるか否か聞いたところ、「とても理解がある」16.1%、「まあまあある」49.4%で合わせると65.5%と、7割近い男性が、配偶者・パートナーが理解してくれていると感じていることがわかった。
更年期の具体的な症状とっぷ3
更年期の自覚症状があると答えた女性806名に、具体的な症状を選んでもらった。多かった順で見ると、1位が「肩こり」で49.9%、次いで「やる気が出ない」46.9%、その次が「気持ちの落ち込み・不安・憂鬱」で44.9%だった。
年齢別に見てみると、「やる気が出ない」・「気持ちの落ち込み・不安・憂鬱」・「イライラ」など、気持ちに関する症状は年齢が若いほど、感じている割合が高く、年齢を重ねるごとに減っていくことがわかる。反対に「のぼせ・ほてり・ホットフラッシュ」の症状は、40歳~44歳では30.6%だが、年齢を重ねるほど割合が増えていき、55歳~59歳で51.3%と半数を超える女性が症状を感じている。年代を問わず、割合が変わらずに発生している症状としては、「不眠」・「日中の眠気」・「倦怠感」などが挙げられる。
次に夫に、妻・パートナーの更年期症状について、自身が感じる項目を選んでもらった。1位は「イライラ」55.6%でその他の項目と比較して圧倒的だった。続いて「気持ちの落ち込み・不安・憂鬱」34.8%、「倦怠感」32.2%。症状の理解は、自分のことでないためわかりづらいのが当然だが、夫は、「イライラ」に関しては、妻が感じるよりも高い割合で自覚しており、それ以外の項目に関しては、本人の自覚ほどは気づいてはいない傾向があることがわかった。
女性の更年期症状「つらくても相談している人はいない」の声
更年期症状があると答えた女性806名に、症状によって、仕事や家事が辛いことがあるか否か聞いた。全体では、「とても辛い」が14.6%、「まあまあ辛い」56.9%で、合計すると71.5%、7割を超える女性が辛いと答えている。年齢別に見てみると、最も辛いと答えている割合が多いのは40歳~44歳で、「とても辛い」19.7%と「まあまあ辛い」57.8%で合計すると77.5%と8割近い女性が辛いと答えた。
更年期症状があると答えた女性806名に、更年期症状について相談している人を聞いた。最多の答えは「相談している人はいない」で34.9%だった。「配偶者・パートナー」が27.8%、「友人」が27.7%で、「医師・専門家」への相談は、19%にとどまった。
これを年齢別に見てみると、年齢を重ねるほど、「相談している人はいない」の割合が増えて行き、55歳~59歳では46.7%と約半数が誰にも相談していないことがわかった。配偶者・パートナーへの相談も40歳~54歳は約3割だが、55歳~59歳では22.1%にとどまる。「医師・専門家」への相談が最も多いのは50歳~54歳で、更年期の自覚症状が「とてもある」と答えた世代とリンクする。
また、症状によって相談している相手が異なるか否かを見てみた。「とてもつらい」と答えた人は、42.4%が配偶者・パートナーに相談し、37.3%が医師・専門家に相談している。「まあまあつらい」で見ると、1位が「相談している人はいない」で31.8%、続いて「友人」が30.1%、「配偶者・パートナー」は28.1%で、「医師・専門家」に相談している人は、19%にとどまった。症状の程度によって、相談している相手が変わることがわかった。
次に、更年期症状があり、つらいと答えた女性507名に、症状が出てつらい時に誰に理解してもらいたいか聞いた。最も理解してほしい相手は「配偶者・パートナー」で、68%と約7割に迫る。続くのは、「職場の同僚」24.7%、「友人」21.3%だった。一方で「誰にも理解されたくない」と答えた人も6.9%いた。年齢別に見てみると、「配偶者・パートナー」「職場の同僚」などは、年齢による大きな差はないが、年齢を重ねるほど「娘」に理解してもらいたい人が増えている。また、「医師」も年齢を重ねるほど、増加傾向にあった。
また、職業別に理解してほしい人を見てみた。人数が少ない職業は、参考値になるが、「公務員」や「会社員」は「職場の同僚」を選ぶ割合が高かった。すべての職業で「職場の上司」よりも「職場の同僚」の割合の方が多い傾向があり、想像ではあるが、上司の性別が男性である場合、「更年期の症状がつらい」ことを知られたくないと思っているのではないかとも考えられる。
更年期症状を抑えるためにどんな対策をしている?
更年期症状でつらいと答えた507名に、症状を抑えるためにどんな対策をしているか聞いた。最も多かったのは、「サプリメントや漢方薬を飲んでいる」で38.7%、続いて「何もしていない」31.0%、「ストレスをためない」30.8%で、「婦人科などで治療をしている」は、18.5%にとどまっている。年齢別に見てみると、40歳~44歳では「サプリメントや漢方薬を飲んでいる」人が最も多く、42.6%と4割を超え、その他の「ストレスをためない」・「運動療法」・「食事療法」を選んでいる人の割合も高い。更年期症状が始まり始めた頃の女性は、多くの自分に合う対処方法を探していることが予想できる。