高校野球の元監督が「お父さんコーチ」になって思った、少年野球のあんなことやこんなこと。日々、子ども達と向き合い、奮闘されている指導者の皆さんに向けた、神奈川県立川和高校野球部の元監督、伊豆原真人さんのコラムです。

ある中学クラブチームにお邪魔した時のこと。

アップ後にバッティングと守備に分かれて練習するとのことでした。

全員でランニング、ストレッチ、ダッシュの後にキャッチボールとペッパーをやってから集合がかかり、二手に分かれていきました。

そのとき、監督さんにこう聞きました。

「バッティング練習の班もキャッチボールをやり、守備練習の班はペッパーもやっていましたが、それぞれの目的は何ですか?」

少し間をおいて、監督さんはこう言いました。

「今まで考えたこともありませんでした。。。」

決して間違っているとかではないんです。

でも、せっかく練習するならば、練習順序による効果や効率を考えながらメニューを組立てることを意識してはいかがでしょう?

また、キャッチボールは肩慣らしだけの意味ではありません。

もちろん、投げる準備としてアップの要素もありますが、それに加えて、スローイングとキャッチングのバリエーションを多く練習する技術練習としての要素があります。

クイックスローやサイドスロー、ランニングスローやジャンピングスローなど、シングルハンドはもちろん、バックハンドやタッグ練習、握り替えなど、試合で使う様々な送球、捕球の練習ができます。

高校ではキャッチボールだけで何種類もスローイングメニューがあったりします。

キャッチボールで技術練習、試してみませんか?

【プロフィール】

伊豆原真人。愛知県立瑞陵高校野球部、信州大学野球部で投手としてプレー。大学院卒業後にシステムエンジニアの道へ進むも、28歳で神奈川県教員へ転職。相模大野高校(相模原中等教育学校)監督を経て、2013年から川和高校の野球部監督に就任。2023年からは他校への異動に伴い高校野球の現場を離れた。担当教科は数学。

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