JR北海道は17日、国(鉄道・運輸機構)と北海道による助成・補助制度を活用したH100形を新たに4両追加し、2月から順次運行開始すると発表した。2023年度に追加する4両は、室蘭本線・日高本線・根室本線・宗谷本線のラッピングが施される。
新たに導入するH100形は、北海道高速鉄道開発が1両あたり約2.8億円(計約11.4億円)で取得し、JR北海道が無償貸与を受けるとのこと。各車両の外観に線区の特色をアピールするラッピングを施し、内装も一般のH100形から変更する。
2月から定期列車として順次運行を開始し、観光列車としても活用する予定。運行区間は旭川~名寄・網走・富良野間(宗谷本線、石北本線、富良野線)、網走~緑間(釧網本線)、長万部~苫小牧間・室蘭~東室蘭間(室蘭本線)とされ、上川~網走間と網走~緑間は3月のダイヤ改正以降に運行する。
「室蘭線ラッピング」(H100-84号)と「日高線ラッピング」(H100-85号)は、室蘭本線の長万部~苫小牧間・室蘭~東室蘭間で運行。「室蘭線ラッピング」は空知で産出した石炭を室蘭港から運び出す目的で敷設された「室蘭線のルーツ」を石炭車のデザインで表現。「日高線ラッピング」は旧国鉄一般気動車標準色をベースに、日高と胆振の共通項である「アイヌ文化」と「馬産地」を表現した。
「根室線ラッピング」(H100-86号)と「宗谷線ラッピング」(H100-87号)は、宗谷本線の旭川~名寄間、石北本線の旭川~網走間、釧網本線の網走~緑間、富良野線の旭川~富良野間で運行。「根室線ラッピング」は沿線市町の四季折々の景色や名物を賑やかに盛り込んだデザインで表現。「宗谷線ラッピング」は鉄道と天塩川を直線や交わりで表現し、ラインは沿線を表現した幾何学模様をモチーフとしている。
内装は観光列車としても使用できるように一般のH100形から変更され、先に導入されたラッピング車両4両と共通のデザインに。座席シート生地にタンチョウやエゾマツなど北海道の自然と風景をイメージした絵柄を取り入れたほか、新しく追加する着脱式テーブルに北海道産のタモ材を使用。吊り手にも木材を使用し、より北海道の自然を感じられるように変更した。