SixTONESの松村北斗と女優の上白石萌音がW主演を務める、映画『夜明けのすべて』(2月9日公開)が「第74回ベルリン国際映画祭」フォーラム部門に正式出品されることが17日、明らかになった。
■松村北斗、『すずめの戸締まり』に続き2年連続で「ベルリン国際映画祭」に参加
ドイツ・ベルリンで毎年2月に開催されるベルリン映画祭は、カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつ。日本の映画人では巨匠・黒澤明監督や山田洋次監督をはじめ、2021年に『ドライブ・マイ・カー』で世界的評価を得た濱口竜介監督の『偶然と想像』が銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞、行定勲監督が『パレード』(10)、『リバース・エッジ』(18)にてパノラマ部門 国際批評家連盟賞を、荻上直子監督が『彼らが本気で編むときは、』(17)でパノラマ部門 テディ賞審査員特別賞を受賞するなど、名だたる映画監督たちが評価されてきた。
同作を手掛ける三宅唱監督は、2019年の『きみの鳥はうたえる』(フォーラム部門)、昨年の『ケイコ 目を澄ませて』(エンカウンターズ部門)以来2年連続3回目の同映画祭選出となり、自身の長編監督作品が全てベルリン映画祭に招待されていることになる。
同作が選出されたフォーラム部門は、新しい視点を含む大胆で革新的な作品を集めた部門で、強い個性や多様性のある物語が選出。“生きづらさ”を抱えた2人の男女の特別な関係性を描いた同作が、国境を越えてどのような視点をもって評価されていくのか、注目が集まる。
さらに、松村は昨年声優として出演した『すずめの戸締まり』(22)が第73回ベルリン国際映画祭に正式出品されており、今年で2年連続の招待となる。松村は『すずめの戸締まり』でアニメ界のアカデミー賞とされる「第51回アニー賞」声優賞(映画部門)へのノミネートを果たしたばかりで脚光を浴びている。
また合わせて、同作のロング予告も公開された。
コメントは以下の通り。
■三宅唱監督
『夜明けのすべて』原作者である瀬尾まいこさんに感謝申し上げます。そして、すべての俳優、すべてのスタッフの美しい仕事を誇りに思います。ベルリンを皮切りとして世界中のさまざまな人々に『夜明けのすべて』を無事に届けられるよう、またどんな反応があったかお知らせできるよう、引き続き大切に進めていきます。国内外問わずさまざまな状況下を生きるみなさんが心穏やかに映画を愉しめるような世の中に少しでもなることを心より願っています。
■松村北斗
この歴史あるベルリン映画祭への参加が決まった事を『夜明けのすべて』チームの一員としても松村北斗個人としても本当に誇りに思います。この映画は大きな世界の小さな街の話です。誰もが生きづらさを感じる今に、生きることが少し楽になる願いを込めた映画です。そんな映画が世界に届く事を本当に幸せに思います。世界中の誰しもが自分なりの生きづらさを抱えていると思います。そんな方々に願いを込めながら参加したいと思います。
■上白石萌音
映画の一員として、そしてこの映画を好きないち観客として、とても嬉しいです。描かれているのは、世界のどこで暮らしていても感じ得る心の機微です。作品の温もりが海を超えて、誰かの心をすこしでも軽くできますよう願っています。
■原作・瀬尾まいこ氏
ベルリン映画祭への正式出品、本当におめでとうございます。三宅監督、スタッフの皆さん、出演者の方々が丁寧に、小説を温かく深い世界にして下さったことに感謝しています。私たちの生きている今の世界を離れることなく、すぐそばにいてくれる見た人の心をそっと照らしてくれるこの素敵な映画を、海外の方にも見ていただけると思うと嬉しいです。
■Berlinale Forumディレクター・Barbara Wurm氏
男性はパニック障害を抱え、女性は極度のPMSに悩まされている。彼らの会社は社員にとんでもないものを提供する。というとそのようには聞こえないかもしれないが、実は小津安二郎の世界そのものなのだ。ここの人々は気配りができ、気づかないうちにお互いに良いことをしている。私も、私のチームも皆この作品が大好きって、もう言ったかしら?
【編集部MEMO】
映画『夜明けのすべて』は、瀬尾まいこ氏による同名小説の実写化作。月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢美紗(上白石)と、パニック障害を患い、様々なことをあきらめて、生きがいも気力も失っている山添が、職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく姿を描いている。NHK 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で夫婦役を演じた松村北斗と上白石萌音が、映画初共演でW主演を務める。
(C)瀬尾まいこ/2024『夜明けのすべて』製作委員会