8thCALは1月16日、「トコジラミの被害の実態に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は2023年12月11日〜15日、全国の10代~70代の男女487名を対象にインターネットで行われた。
調査によると、「トコジラミ」の認知度は87.9%。実際に被害に遭ったことがある人は3.5%にとどまったが、その被害は日本国内でも年々増加傾向にあるという。
最近になって日本でもトコジラミが急増してしまった背景には、交通網の発達により海外旅行者が増えたことが一つの要因と考えられ、スーツケースや手荷物、衣類などに付着したままトコジラミが国内に持ち込まれてしまい、それが日本で繁殖。さらに、ECの普及により、海外から購入した物の段ボールの隙間に潜んでいるケースも。
また、「トコジラミの被害内容」については、半数超が「ほとんど知らない」(34.7%)や「全く知らない」(16.2%)と回答。一方で、トコジラミについて「恐怖を感じる(非常に+かなり)」(56.4%)人は半数を超えた。
トコジラミの症状としては、吸血をされると赤い斑点として現れ、これに伴い強い痛みやかゆみを感じることが一般的。繰り返し刺されると体内に抗体が形成され、さらに強いかゆみを引き起こすことも。これが原因で不眠症のような精神的な影響を受けることもあり、場合によっては発熱の症状が表れるという。
次に、「ホテルなどの宿泊施設に泊まる際にトコジラミの対策を実施していますか?」と聞いたところ、「対策を行っている」と回答した人はわずか7%にとどまり、42.7%が「対策方法がわからない」と回答。
また、「宿泊施設の部屋に出てほしくない害虫」を聞くと、1位「ゴキブリ」、2位「ムカデ」、3位「トコジラミ」、4位「ダニ」、5位「毛虫」という結果に。また、3位となった「トコジラミ」の被害を実際に受けた場合、9割の人がその施設への「印象が悪化する」と回答。仮に同じ条件の部屋でトコジラミの予防対策が施された客室がある場合には、3割の人が「500〜1000円の追加費用を払っても良い」と回答した。
個人でできる「トコジラミの対策」
トコジラミは、ダニと異なり、トコジラミは衛生的な環境であれば繁殖しないというわけではなく、外部から持ち込まれるだけで家の中で繁殖してしまうため、宿泊施設でもスーツケースに忍び込んだトコジラミが繁殖するケースが増えている。その繁殖率は非常に高く、気づいたときには数が増えすぎて自己処理では対処しきれないことも。さらに最近では、殺虫剤に対する抵抗性を持つ「スーパートコジラミ」の存在も報告されており、トコジラミの問題はますます深刻化しているという。
環境コンサルテーションなどを展開する同社が、普段から実践できるトコジラミの対策について5つのポイントを紹介している。「トコジラミの駆除は非常に難しいため、早期発見対策が非常に重要です。できる範囲から実勢し、早めに対策を講じましょう」とのこと。
(1)衛生的な環境の維持
部屋や寝具を清潔に保ち埃やゴミを取り除き、トコジラミの血糞(けっぷん)や脱皮殻等にいち早く気がつくことのできる環境を維持しましょう。
(2)不要な物の処分
不要な家具や物をなるべく蓄積せずに処分することで、トコジラミが隠れる場所を減らします。
(3)布団やベッドの管理
布団やベッドのシーツやカバーを定期的に取り替え、洗濯しましょう。その際に、マットレスや布団、ベッドフレームの隙間に血糞(けっぷん)や脱皮殻等がないかをチェックしましょう。また、マットレスやベッドフレームの隙間にトコジラミが隠れるのを防ぐために、専用のカバーを使用するのも望ましいです。
(4)旅行時の注意
旅行から帰った際には、スーツケースや持ち物をよく確認し、トコジラミがついていないかを注意深くチェックします。宿泊施設での滞在中にはトコジラミに注意し、隙間に抜け殻やフンのシミがないか確認しましょう。
(5)早期発見対策・予防資材の使用
トコジラミ早期発見のための製品やマットレスカバーを使用することで、繁殖を防ぎます。