大井川鐵道は、約40体のたぬきの置物がある無人駅、神尾駅をさらに多数のたぬきで埋め尽くす「神尾駅たぬき駅化計画」を推進すると発表した。
神尾駅は大井川沿いの山間にひっそりとたたずむ無人駅。たぬきの置き物が置かれるようになったきっかけは、初代のSL列車「専務車掌」として活躍した石原〆造氏(故人)が乗客から受け取ったチップを貯めて、信楽焼のたぬき像を同駅に置いたことが始まりだという。「チップを自分ひとりで使うのではなく、多くの人を楽しませるために使おう」という石原氏の思いが多くの人の支持を受け、各地からたぬき像が送られてくるようになったとのこと。
大井川鐵道は「神尾駅たぬき駅化計画」に着手し、同駅ホーム上の駅名標を金色ベースに赤い文字を配したデザインに一新。線路と通路との境界柵を黄色に着色し、この通路を「たぬきロード」と命名した。これまでに同駅や大井川鐵道に寄せられたたぬき像約60体と、体の一部に金色を施した「ゴールデンたぬき」も設置。駅名を金色で箔押しした合格駅の入場券などが当たるガチャガチャも設置した。自宅等で眠っているたぬき像があれば同駅に置くよう一般に呼びかけ、「他を抜く」運を持ち帰ることができる聖地づくりを進める。
計画のスタートに合わせ、「合格駅」「門出駅」と縁起の良い駅名が続く大井川本線金谷~神尾間が1日乗り放題となる「開運たぬきっぷ」を1月21日に発売。大人880円・こども440円で販売され、大井川鐵道の金谷駅、新金谷駅、新金谷駅前SLセンター、門出駅隣接おおいなびの各所で取り扱う。