女優の奈緒が、とんねるずの木梨憲武とW主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『春になったら』(毎週月曜22:00~※初回15分拡大)が15日にスタートする。福田靖氏のオリジナル作品である今作は、笑って泣けるハートフル・ホームドラマ。“3カ月後に結婚する娘”椎名瞳(奈緒)と“3カ月後にこの世を去る父”椎名雅彦(木梨)が、「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していく3カ月間を描く。

「家族をテーマにした作品に携わりたいと思っていた」と今作への出演を喜ぶ奈緒。自身が家族の中で学んだという役割、そして父親役を務める木梨の印象を聞いた。

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    女優の奈緒 撮影:島本絵梨佳

■“家族”がテーマの作品に出演したかった

――今作が決定したときの心境を教えてください。

このお仕事をしていると「今後どんな役をやりたいですか」と質問をしていただく機会があるのですが、そのたびに、家族をテーマにした作品に携わりたいなと思っていました。正にそんなホームドラマに、父との関係を演じる娘役として参加できてすごくうれしいです。劇中では放送期間と同じ“3カ月”を描くので、同じ時を生きるたくさんの方に見てもらえたらうれしいです。

――家族をテーマにした作品に携わりたい理由は。

形が違ったとしても、家族はすべての人に共通するテーマだと思います。その家族の中で兄と妹がいたら、やっぱり兄が「お兄ちゃんだからしっかりしなきゃ」という役割になったりするように、私も家族の中で自然と役割というものを学んできたなと感じます。年齢を重ねて家族の関係性が変化していく中で、これからはまた違う役割を担えたらいいなと考えていて。私は、家族のことを考えるだけで無条件に涙が出てくるときがあるんです。その理由は何なんだろうって気になって。大人になると、仕事が忙しくなって家族と向き合う時間が減っていってしまうからこそ、その涙の意味を考えるためにも家族というテーマにはずっと挑戦していきたいです。

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■“守られる”ことが家族の中での役割だった

――奈緒さんは、家族の中ではどんな役割でしたか。

私は兄と年が離れているので、家族の中で大変な事件が起きたときは皆が私に悟らせないように一致団結して頑張ってくれていたなと、大人になってから気づきました。家族にとっては一番年下の私が1つの希望だったというか、年が離れている兄にとってはきっと守りたい存在で。守り守られるというのも互いの役割だと思いますし、守られてきたからこそ、今度は私が家族の支えになりたいし、守る側になりたいと思っています。

奈緒

■木梨憲武の印象は「自由ですごくかっこいい」

――ご家族にとって、奈緒さんは「守りたい人がいるから頑張れる」と思える存在だったんですね。木梨さんと父娘役を演じると知ったときの感想は。

木梨さんのお父さん役をイメージしながら台本を読むと、木梨さんだからこそ皆さんに楽しんでいただけるんじゃないかという台詞がたくさんあって。原作のないオリジナルドラマならではの魅力を感じていただける自信がありますし、登場人物たちが生きる日々の愛おしさが、見てくださる方にとって、大切な人を思い浮かべたり、忘れかけていたことを思い出したりと、感情を動かす1つの手助けができるドラマになる予感がします。

――木梨さんの印象を教えてください。

自由ですごくかっこよくて、何でもできちゃう方。芸人さんだけど、歌も歌えるし、アートもできるし、1つのジャンルで言い表せない方だと思っていたので、お会いするのがすごく楽しみでした。生きていると、一般的にどうかとか、十人が十人いいと言うものに流されてしまうこともありますが、木梨さんは、自分が何を面白いと思って何をかっこいいと思うか、自分の中で心躍るものを大切にしてらっしゃってる方なので、私も自分の声に耳を傾けられる大人になりたいなと。実際にお会いして、尊敬の気持ちがより強くなりました。

――そんな木梨さん演じるお父さんには、売れない芸人である恋人との結婚を反対されてしまいます。もし奈緒さんが同じように恋人との結婚を反対されたとき、瞳のように自分の気持ちを突き通せますか。

私はどちらかというと瞳さんタイプだと思います。自分の中でこの人だって心に決めた相手だったら、その気持ちを信じて、お父さんのように反対している人を説得したいです。でも、もしいつか自分が親になったら、これからたくさん壁が立ちはだかることを心配して、本人たちだけの問題じゃないよって、人生を少し長く生きた先輩として心配して言葉をかけるかもしれません。

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■奈緒
1995年2月10日生まれ、福岡県出身。地元・福岡で活動後、15年に単身上京し、『雨女』(16年)で映画初出演。NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18年)でヒロインの親友役を演じて注目を集める。以降、『のの湯』(BS12)、『あなたの番です』『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』『ファーストペンギン!』(日本テレビ)、『演じ屋』(WOWOW)、『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ)などのドラマ、『ハルカの陶』『みをつくし料理帖』『事故物件 恐い間取り』『TANG タング』『マイ・ブロークン・マリコ』『#マンホール』などの映画に出演。公開待機作に、映画『陰陽師0』(24年4月19日公開予定)がある。