入団会見で新庄監督(左)と握手する山崎福也 (C)Kyodo News

◆ FA、ポスティングによる移籍

 今オフ、かつてドラフト1位でプロ入りした選手たちの移籍が相次いでいる。

 14年ドラフト1位でオリックスに入団した山﨑福也は、リーグ3連覇したオリックスの先発ローテーション投手として、21年が8勝(10敗)、22年が5勝(8敗)、そして昨季は23試合・130回1/3を投げ、シーズン自己最多の11勝(5敗)、防御率3.25の成績を残し今オフ、FA権を行使して日本ハムへ移籍した。

 松井裕樹は13年ドラフト1位で楽天入りし、2年目から抑えを担当しNPBでの通算10年間で236セーブをマーク。昨季は59試合に登板して、シーズン自己最多の39セーブを挙げ、自身3度目の最多セーブのタイトルを獲得。海外FA権を行使して、パドレスへメジャー移籍した。

 15年ドラフト1位でDeNAに入団した今永昇太も今オフ、ポスティングシステムを利用して大リーグ・カブスへ移籍。今永は入団会見で「伝統のあるシカゴ・カブスに入団できるのを嬉しく思うのと同時に、早くリグレー・フィールドのマウンドに立ちたいと思います。ベイスターズファンの皆様、遠くからではありますが、日本にいいニュースが届けられるよう精一杯頑張ります。カブスファンの皆様、ワールドシリーズ優勝に向けて全力を尽くします。リグレーフィールドで待っていてください」と決意を述べた。

◆ 甲斐野は人的補償で移籍

 18年ドラフト1位でソフトバンクに入団した甲斐野央は、西武からソフトバンクへFA移籍した山川穂高の人的補償選手として西武に移籍。甲斐野はソフトバンク球団を通じて「突然のことではありましたが、ホークスには本当にお世話になり感謝しかありません。ドラフト1位で獲ってもらったものの、 期待に沿えるような活躍はできなかったと思いますが、チームメイト・監督・コーチ・スタッフ・フロントの皆さんには温かく見守ってもらい感謝しています。 今回僕を評価・指名してくれた西武球団にも感謝しています。チームの雰囲気が明るくファンの方も熱いイメージがありますので、ベルーナドームでプレーするのが今から楽しみです」とコメント。

 甲斐野は18年ドラフト1位でソフトバンクに入団すると、プロ1年目の19年に65試合、2勝5敗26ホールド、8セーブ、防御率4.14の活躍。プロ5年目の昨季は46試合に登板して、3勝1敗8ホールド、2セーブ、防御率2.53だった。新天地の西武は昨季、勝ちパターンの固定に苦しんでおり、オープン戦でアピールすれば、開幕からセットアッパー、クローザーも見えてくる。

◆ 現役ドラフトで移籍

 現役ドラフトでは16年ドラフト1位のロッテ・佐々木千隼がDeNA、17年ドラフト1位の阪神・馬場皐輔が巨人、同じく17年ドラフト1位の中日・鈴木博志がオリックスへ移籍。佐々木は昨季一軍で2試合に登板して防御率3.00、馬場は昨季一軍で19試合に登板して2勝1敗3ホールド防御率2.45、鈴木は昨季一軍で9試合に登板した1勝2敗防御率4.07だった。

 佐々木は移籍先で21年のような活躍、馬場も救援陣の層の厚かった阪神から巨人への移籍で勝ちパターンの一角に食い込みたい。鈴木も環境の変わった新天地で躍動したいところだ。

◆ トレードでの移籍

 トレードでは18年ドラフト1位で日本ハムに入団した日本ハム・吉田輝星がオリックスへ移籍。4年目の22年には51試合に登板したが、5年目の昨季は一軍登板わずか3試合にとどまった。吉田は球団公式HPを通じて、「ストレートはプロに入った以上、ずっと磨き続けたいと思っているので、自分の中でストレートに自信を持っていると言えるように練習していきたいと思います。まずはしっかりと活躍して、ファンの皆さんに早く名前を覚えていただけるように、またオリックスの一員として受け入れてもらえるように精一杯頑張りたいと思います」と決意した。

 西武に19年1位で入団した宮川哲は、今オフ元山飛優とのトレードでヤクルトへ移籍。西武でプレーした昨季は、イースタンリーグトップの防御率2.45、勝率.750をマークした。チーム先発防御率12球団ワーストの3.95だった投手陣の救世主になれるか。

◆ 戦力外組

 15年ドラフト1位で阪神に入団し1年目の16年に新人王に輝いた高山俊は、昨季限りで戦力外通告を受け、今季からプロ野球のイースタン・リーグに参加するオイシックス新潟アルビレックスBCに入団が内定している。06年の高校生ドラフトでソフトバンクに1位で入団し20年からロッテでプレーし昨季限りで戦力外通告となった福田秀平と、07年高校生ドラフト1位でDeNAに入団した田中健二朗は、今季からプロ野球のウエスタン・リーグに参加するハヤテ223に移籍した。

 17年1位で巨人に入団した鍬原拓也は昨年一軍で5試合に登板して、防御率9.00に終わり戦力外通告を受け、育成選手としてソフトバンクへ移籍した。

 新しい移籍先で活躍を期待されている選手、復活を目指す選手と、様々だが、一人でも多く新天地で活躍することを期待したい。