2022年ドラフト1位でロッテに入団した菊地吏玖のプロ1年目は、4月21日の日本ハム二軍戦で『左内腹斜筋損傷』で離脱するなど、一軍登板は1試合にとどまった。
シーズン終了後に行われた10月14日の楽天とのフェニックスリーグでは、5-4の9回に登板し、先頭の吉野に対して初球外角のストレートで空振り、見逃し三振に仕留めた3球目の外角のストレートも捕手が構えたところにビタッといく良い球を投げ込んだ。
同年11月25日から行われた『2023アジアウインターベースボールリーグ』でも、力強いストレートを中心に9試合・10イニングを投げ、5被安打、2与四球、6奪三振、防御率0.00と抜群の投球を見せた。
ストレートに関して「真っ直ぐが良くないとプロでは他の変化球が通用してこなくなりますし、台湾でも9割ぐらいストレートを投げていたので、そこはわかっていても打たれないのが理想。そこは突き詰めてやっていきたいと思います」と話した。
シーズン中は先発で投げていたが、フェニックス・リーグからリリーフで投げている。短いイニングで投げることもあって、ストレート中心に投げているのだろうかーー。
「1イニングなので、あんまり配球を細かく考えてというよりは、とにかく目の前のバッターを抑えてゼロで帰ってくればOKだと思っています。小細工なしでとにかく力で押していくというのを意識した結果、そうなっているところがあると思います」。
プロ1年を経験し、ストレートが大切だと感じた部分はあったのだろうかーー。
「ストレートが悪いと、とことん打たれたりとかするので、そこはマストでよくしていきたいなと思っています」。
プロ初登板となった昨年8月11日の西武戦は、4回を投げ7被安打されたが、実に6被安打がストレートだった。プロ初登板を経験したことが関係しているのか訊くと、「もちろんそれもありますし、ファームのバッターでも真っ直ぐが良くない日とかは、すごい打たれたりするので、1年通して感じたことですね」と語った。
自主トレでも、「フォームをまずどうにかしないと、真っ直ぐが強くなりにくいところがあるので、出力が十分でもフォームが伴っていなかったら、強さ、スピードが出なくなる。フォームに注力してやっています」とのことだ。
決め球に関して、プロ1年目の昨季、「その日使える球種をピックアップしながらやっている感じです」と話していたが。プロ1年目を終えて今も、「変化球は何種類か持っているので、これがいい日、悪い日が出てくる。その考え方というのは変える必要はないんじゃないかなと思っています」と、基本的な考え方は変わらない。
2月1日から春季キャンプが始まり、来月の今頃には練習試合がスタートしている。「本当に突き抜けた結果、内容じゃないと今の中継ぎ陣には食い込んでいけないと思っている。人より良い結果というのはこだわって、中継ぎ1年目ですしやっていきたいなと思っています」。
今季は「フル回転で、何十試合でも、勝ち試合でも、負け試合でも、出せる力を全部出して投げていきたいと思います」と覚悟を示した。2年目の今季、2月1日からアピールしていくため、準備を進めていく。
取材・文=岩下雄太