原辰徳監督からバトンを受け取った阿部慎之助新監督 (C) Kyodo News

◆ 阿部新体制が本格始動!

 2024年も早くも2週間が経ち、選手たちの自主トレも本格化。2月からは各地で春季キャンプがスタートする。巨人の一軍は例年通り2月1日から宮崎県宮崎市、実戦メインとなる同16日からは沖縄県那覇市で汗を流す。阿部新体制となり、2020年以来のリーグ優勝を目指す巨人。土台作りとなるキャンプの見どころを探る。

●即戦力候補の楽しみな新人5選手

 巨人は昨秋のドラフト会議で西舘勇陽投手(中大=D1位)、森田駿哉投手(Honda鈴鹿=D2位)、佐々木俊輔外野手(日立製作所=D3位)、泉口友汰内野手(NTT西日本=D4位)、又木鉄平投手(日本生命=D5位)と、支配下で大卒&社会人出の5選手を獲得。新人合同自主トレを視察した阿部慎之助監督はすでに新人5選手のキャンプ一軍スタートを明言しており、即戦力候補たちの仕上がり具合に注目が集まる。

●若返り進む先発ローテーション争い

 昨季は高卒5年目だった戸郷翔征が2年連続となる2ケタ勝利を達成し、大卒3年目だった山﨑伊織は自身初の2ケタ勝利に加え規定投球回にも到達。さらに、横川凱は16試合に先発し防御率3.95、赤星優志は12試合で同3.39と若手の飛躍が目立った。ここに新人の西舘や森田らが加わり、井上温大や松井颯の成長も楽しみ。復活を期すベテランの菅野智之や、昨季ともに防御率2点台だったフォスター・グリフィンとヨアンデル・メンデスの左腕コンビも健在。キャンプ中から先発ローテ争いは熱を帯びそうだ。

●的確な補強で厚み増したブルペン陣

 昨季は救援防御率がリーグ最下位の3.83だった巨人。弱点を補うために今オフ、カイル・ケラー、馬場皐輔(ともに前阪神)、近藤大亮(前オリックス)、泉圭輔(前ソフトバンク)と実績のあるリリーバーたちを獲得した。強固な勝ちパターン再構築へ、昨季ともに防御率4点台だった大勢と高梨雄平の復調は必須。昨季途中加入ながら21試合で防御率1.69だったアルベルト・バルドナードには開幕からフル稼働を期待したい。

●外野争いは横一線、若手のアピール合戦に期待

 内野は岡本和真、吉川尚輝、坂本勇人、門脇誠とレギュラーが固まっているが外野は大混戦。阿部監督は外野争いについて横一線であることを強調している。昨季はベテランの長野久義と梶谷隆幸が改めて存在感を示したが、丸佳浩は主要打撃項目のすべてで移籍後ワーストの結果に終わった。こちらも投手陣同様、若手の突き上げに期待したいところ。昨シーズン飛躍のきっかけをつかんだ秋広優人を筆頭に、岡田悠希、萩尾匡也、浅野翔吾、新人の佐々木らはキャンプ中からガンガンアピールしたい。