JR貨物は、2024年3月16日に実施するダイヤ改正で、東京貨物ターミナル~大阪貨物ターミナル間の速達化、関東地区から広島貨物ターミナル駅への輸送力増強など、中距離輸送の利便性向上を図ると発表した。要望の強い地域間の輸送力増強も行うとしている。

  • JR貨物が東京貨物ターミナル~大阪貨物ターミナル間の速達化、関東地区から広島貨物ターミナル駅への輸送力増強など実施

2024年4月からトラックドライバーに対する時間外労働の規制が強化され、物流における持続性の確保が課題に。加えて、物流においてもカーボンニュートラルの実現が求められている。こうした中、労働生産性と環境特性に優れた貨物鉄道輸送に対する期待が大きくなっており、従来から利用の多い長距離輸送に加え、中距離輸送についても貨物鉄道へのニーズが高まっているという。中距離輸送のモーダルシフトへの要望に応えるべく、列車の速達化と輸送力増強を実施する。

東京貨物ターミナル~大阪貨物ターミナル間において、上下各1本のコンテナ列車を対象に、所要時間を8時間前後として速達化。早朝配達・夜間集荷が可能なダイヤとすることにより、物流の大動脈である東京・大阪間の利便性向上を図る。

下りは65列車について、大阪貨物ターミナル駅の到着時刻を現行の8時4分から7時5分に変更(東京貨物ターミナル駅の発車時刻は現行通り22時59分で変更なし)。到着時刻が59分繰り上げられ、所要時間は8時間6分となる。上りは2068列車について、大阪貨物ターミナル駅の発車時刻を現行の18時46分から22時31分に変更(東京貨物ターミナル駅の到着時刻は現行通り6時30分で変更なし)。発車時刻が3時間45分繰り下げられ、所要時間は7時間59分となる。

輸送需要の旺盛な関東地区から広島貨物ターミナル駅への輸送力増強なども行う。東京貨物ターミナル発福岡貨物ターミナル行で運転される63列車・5073列車の下り2本を対象に、12ftコンテナ20個分の輸送力増強を実施(広島貨物ターミナル駅までの輸送力は63列車が60個、5073列車が25個)するほか、5075列車を広島貨物ターミナル駅に停車させ、12ftコンテナ5個分の輸送力を新設する。倉賀野発福岡貨物ターミナル行の4066~5057列車も広島貨物ターミナル駅に停車し、倉賀野駅から12ftコンテナ5個分、熊谷貨物ターミナル駅から12ftコンテナ5個分の輸送力を新設する。

  • 広島方面の輸送力も増強される

山陽・九州方面において、要望の多い地域間の輸送力も増強する。名古屋貨物ターミナル発新南陽行の1095~73列車は広島貨物ターミナル駅まで12ftコンテナ15個分の輸送力増強(名古屋貨物ターミナル~広島貨物ターミナル間の輸送力は50個)を実施。名古屋貨物ターミナル発熊本行の8057列車は、北九州貨物ターミナル駅まで12ftコンテナ10個分、鳥栖貨物ターミナル駅まで12ftコンテナ5個分、熊本駅まで12ftコンテナ5個分の輸送力を新設する。東水島発東京貨物ターミナル行の5062列車も、岡山貨物ターミナル駅から横浜羽沢駅まで12ftコンテナ10個分、吹田貨物ターミナル駅から横浜羽沢駅まで12ftコンテナ10個分の輸送力を新設する。