◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム1・2月のテーマは“自主トレ、春季キャンプ”

 「1月はコロナ前までグラウンドに降りられていたので、自主トレの取材に行ったりしていました。コロナ禍になってからグラウンドに降りられなくなりましたが、時々スタンドから自主トレの風景を見たりしていますね」。

 ニッポン放送の師岡正雄アナウンサーは、1月のこの時期はもちろん選手たちの自主トレの取材がメインになってくる。

 師岡アナウンサーの中で、コロナ禍前の自主トレで印象に残っているエピソードがある。

 「昔は年が変わるまで、そんなに自主トレは重要視されていませんでしたが、ここ10年くらいで11月から自主トレをやっている選手もいますからね。本当に体を常に動かしている。巨人の鈴木尚広さんが選手時代、彼はものすごく早い時期から自主トレをしていました。“早いね”という話をしたら、これをやるから選手生命が伸びるんですよ。なるほどなと思って、そういうような話をしたのが印象にありますね。完全に休むのは短い期間で、ちょっとしたら体を整えていく、準備を始めないとダメなんだと。本当に選手たちのオフは短いですよね」。

 自主トレの取材とともに、師岡アナが並行して行うのが、「去年の成績チームの成績、個人の成績の振り返りをもう1回簡単にあらうのと、シーズンオフの選手の動向ですね。球団ごとに選手の動向を目についたところをノートにまとめて、後でざっと見て、目にとまったところを調べることもできるし、開幕に向けての準備ですね」と、昨シーズンの振り返りやオフの契約更改、故障、移籍などをノートに丁寧にまとめることだ。

 “ショウアップナイターの準備”について語ってもらった時には、チーム資料ノート、投手カードを本番中継前に限らず、毎日朝2時間から3時間をかけてまとめていたが、そのノートとは全く別のノートである。

 「11月くらいから書いているんだけど、日付を見てその選手がネットに出てくるじゃない。契約更改とか怪我したとか、具合が悪いとか、移籍とかを忘れずにメモ程度にまとめておく」。

 このノートが自主トレの取材で活きてくる。「どれだけオフの動きが、頭に入っているかだね。結婚した選手とか、怪我の具合だとか、シーズン終盤に怪我をしちゃって出られなかったり、状態がどうなのとか、そういうようなことですよね」。

 こうした準備の積み重ねが、選手とのコミュニケーションにもつながってくる。

 コロナ禍前では春季キャンプで「昔は本当に4勤1休とかで、1休の時にキャンプ序盤、体を動かした方がいいかなと(選手が)いうので、朝早くゴルフに行くというのでついて行ったり。昼前に上がってきてそこから選手たちは休日の体のメンテナンスをする。ゴルフは気分転換になるし、動くし。行こうよと言われて、行ったりしていたこともありますね。それと、キャンプの話になると、食事に行ったりしていましたね。野球の話だとか飲んで覚えてもらえる。その後のシーズンが始まってからの取材も全然違う。次の年にも、“今年も行きましょうよ”と次に繋がっていく。コロナでその文化がなくなっちゃったけどね」と、選手との関係性が深くなるのもキャンプ取材ならではだ。

 師岡アナは選手の結婚式の司会なども担当したこともある。「財産作りだと僕は個人的に思う。人によって違うかもしれないけど、アナウンサーが財産を作るのは“人”だと思うけどね。その財産作りが大切だなと思います」。

 キャンプが終われば、シーズンが始まる。リスナーに向けて、師岡アナは「毎年変わらないけど、面白くわかりやすく、そして感動的に。この3つを忘れずに中継して行きますので、ぜひお楽しみください」と誓った。

(ニッポン放送ショウアップナイター)