テレビ東京は13日、美術番組『新 美の巨人たち』帝国劇場×田中道子(22:00〜)を放送する。

  • 田中道子

建て替えのため2025年の閉館が決まっている帝国劇場。番組では、意匠設計を担当した建築家・谷口吉郎のこだわりを俳優・田中道子がアートトラベラーとして探索。その設計の苦心と知られざる建築美に迫る。谷口の「光と影の工夫」のほか、洋画家・猪熊弦一郎や陶芸の第一人者・加藤唐九郎など様々な芸術家や職人を設計段階から巻き込み、ともに空間を作り上げた。

施主側の責任者は東宝の専務であった菊田一夫。当時世界一の舞台機構を帝劇に備えるために全力を傾けた。世界一の舞台機構を菊田が目指した理由は、世界的名作『風と共に去りぬ』の舞台化で、そのために作られた劇場といっても過言ではないという。

だが、権利元からはアトランタの脱出シーンを舞台で再現できなければ許可がおりない。そこで菊田は莫大な資金をかけて“特撮の神様”円谷英二にある依頼をし、円谷は持てる技術を生かし見事な特撮映像を作り上げ、『風と共に去りぬ』のクライマックスシーンを舞台上に再現することに成功。菊田は世界で初めて『風と共に去りぬ』を舞台化する権利を得たのです。今回、長年保管されていた、帝劇で初めて舞台化された『風と共に去りぬ』のクライマックスシーンのために円谷が制作した幻のフィルムを、50数年ぶりに放送する。また、1987年の『レ・ミゼラブル』の初演から、度々、帝国劇場の舞台に立ってきた俳優・鹿賀丈史も登場する。

■岡田英吉プロデューサー(テレビ東京制作局) コメント

おなじみの帝国劇場を一つの建築美として紐解くと、こんなにも新鮮な発見があるのだと驚きました。訪れた客に「非日常空間」を提供するために工夫された谷口吉郎のこだわり、当時世界一の舞台機構を目指した菊田一夫の演劇人としての情熱に、帝劇を何度も訪れた視聴者の方も必ずや驚くはずです。そして、『風と共に去りぬ』の迫真のクライマックスを舞台上に再現するために「特撮の神様」円谷英二が作り上げた映像は、とても50年以上前に作られたとは思えない、現代のCG映像に勝るとも劣らない大迫力!滅多に見られない幻の貴重映像、ぜひお見逃しなく!

【編集部MEMO】
『新 美の巨人たち』は、アートを訪ねる旅人=アートトラベラーが作品と出会う美術旅へ誘う美術番組。アートトラベラーを田中道子、ナレーションを長塚圭史が務める。

(C)テレビ東京