ポータブル電源で知られるJackery(ジャクリ)が、ポータブル電源を小さくしたデザインのモバイルバッテリーを発売して話題になっています。見た目はJackeryのポータブル電源そっくりながら、かわいらしい手のひらサイズに仕上がっているのがたまりません。機能的には普通のモバイルバッテリーとさほど変わりありませんが、見た目で直感的に「欲しい!」と感じさせる1台だと感じました。
Jackeryのポータブル電源をそのままミニチュア化した
オレンジ色のロゴやオレンジ色の差し色で知られる、Jackeryのポータブル電源。そんなポータブル電源の派生モデルとして2023年12月に登場したのが、Jackery初のモバイルバッテリー「Jackery Explorer 100 Plus」です。
最大の特徴が、Jackeryのポータブル電源のデザインを忠実に再現していること。全体の形状や左右の側面にあしらわれたオレンジの差し色など、ひと目で「ジャクリのポータブル電源そっくり!」と分かるデザインに仕上げています。
見た目はポータブル電源ですが、Jackery Explorer 100 PlusはあくまでもUSB Type-C端子やUSB Type-A端子のみを備えるモバイルバッテリー。AC100V出力を持つ本家のポータブル電源とは異なり、電気ポットやホットプレートなどコンセントから給電する一般的な家電は使えず、ノートパソコンやスマートフォン、タブレット、ワイヤレススピーカーなどの給電や充電に限られます。この点は勘違いしやすいので、覚えておく必要があります。
出力はUSB Type-C端子が2基、USB Type-A端子が1基で、3ポート合計で最大128Wの出力が可能。USB Type-C端子は最大100W出力が可能なので、16インチMacBook Proなどの大型ノートPCも急速充電できます。
バッテリーの容量は31,000mAh(99.2Wh)と、一般的な大容量モバイルバッテリーと同等の容量を持ちます。バッテリーは一般的なリチウムイオン電池ではなく、ポータブル電源と同じリン酸鉄リチウムイオン電池を用いているのがポイント。充放電を2,000回繰り返しても80%の容量を維持するといい、長く使えるのが魅力。リン酸鉄リチウムイオンなので、一般的なリチウムイオン電池を採用するモバイルバッテリーより安全性が高いのも見逃せません。
大型ノートPCの充電にも対応、ソーラーパネルで容量を回復
基本的にはシンプルなモバイルバッテリーだけに、使い勝手に不満はありません。端子の間隔も十分あり、隣り合う端子にケーブルを接続しても干渉することはありませんでした。重量は約965gと1kg近くあるだけに、太めのケーブルを接続してもバッテリーが引っ張られることがなかったのは好ましいと感じました。
優れているのが、別売のポータブル電源用のソーラーパネルがあれば、太陽の力で充電できること。Jackery Explorer 100 Plusには、ソーラーパネルの丸型端子をUSB Type-Cに変換するコネクターが付属しており、これを用いればソーラーパネルが接続できます。100Wのソーラーパネルを用いたところ、コンスタントに30W超の電力が蓄電できました。
気になったのは、前面のカラー表示パネルが見づらいこと。表示が小さいだけでなく明るさが足りないため、晴れた屋外ではかなり見えづらくなります。せっかくパネルを搭載したのだから見やすくしてほしかったと感じます。
無味乾燥なデザインのモバイルバッテリーに楽しさをもたらす
価格は15,900円と、モバイルバッテリーとしてはかなり高め。Amazonでは、スリムで容量がもっと大きい製品が5,000円もせずに入手できるので、長寿命や安全性に優れるリン酸鉄リチウムイオン電池を用いているとはいえコスパは高くありません。大柄なので、日々の通勤通学での持ち歩きなど携帯性を重視するならば選択肢には入らないでしょう。
しかし、ポータブル電源のミニチュア版といえるかわいらしい本体を手にすると、思わず心が躍ったのは事実。以前レビューした透明デザインのモバイルバッテリー「SHARGE STORM2」と同様に、実用一辺倒のモバイルバッテリーに所有する楽しさや喜びが加わる点は魅力といえます。
すでにJackeryのポータブル電源を使っている人ならば、お気に入りのブランドでアウトドア用品を揃えるように、モバイルバッテリーもJackeryで…というのもアリだと感じます。アウトドア好きな人へのプレゼントとしても最適かもしれません。