近畿日本鉄道は10日、特急列車に設置しているすべての喫煙室を2024年3月1日から廃止すると発表した。同社は2020年2月から特急列車の座席をすべて禁煙とする一方、一部の特急列車を除き、原則1~2カ所の喫煙室を設置していた。

  • 近鉄特急の車内に設置された喫煙室がすべて廃止に(写真は「ひのとり」)

2020年3月にデビューし、おもに大阪難波~近鉄名古屋間を走る「ひのとり」も、6・8両編成の3号車に喫煙室を設置。「アーバンライナー」は6両編成の3・6号車と8両編成の3・5・8号車に喫煙室を設置している。伊勢志摩方面の観光特急「しまかぜ」は6両編成の4号車(近鉄名古屋駅発着の列車は3号車)、「伊勢志摩ライナー」は6両編成の3号車に喫煙室を設置。その他の特急車両も原則として喫煙室を設けているが、観光特急「あをによし」「青の交響曲」は喫煙室を設けていない。

喫煙室を設置した特急列車も、地下線区間の大阪難波~大阪上本町間、地下駅の近鉄奈良駅と近鉄名古屋駅、駅ビル等の屋内にホームがある大阪上本町駅、京都駅、大阪阿部野橋駅において、喫煙室の利用を不可としている。

近鉄はこれまで、車内喫煙のニーズに応えて特急列車に喫煙室を設置し、分煙に努めてきたが、近年の健康増進志向の高まり等を踏まえ、特急列車の喫煙室をすべて廃止するとのこと。SDGs(持続可能な開発目標)に貢献するとともに、利用者の健康的な暮らしにもつなげるとしている。