米IntelはCESにおいて、14th Gen Coreに追加SKUを発表すると共に、Lunar Lake/Arrow LakeのPreviewを披露。そしてSDV(Software Defined Vehicle)向けSoCを発表した。これらについてまとめてご紹介したい。
14th Gen Core
まずは現地時間の1月8日に行われたIntel Open Houseから。昨年10月にRaptor Lake Refreshが14th Gen Coreプロセッサとして発売された訳だが、この時に発表されたのはCore i9/i7/i5が各2SKUづつ。何れもK SKUとKF SKUのみで、Base Powerが125W、PL2が181~253Wという構成で、一般向けとはちょっと言い難かった。今回はDesktop向けに18 SKU、Mobile向けに8 SKUが追加され、昨年発表のものと併せ合計で32 SKUに膨れ上がった(Photo01~05)。
このうちHX SKUはCore Ultraとやや構成が被らなくも無い(Photo06)気はするのだが、Discrete GPUを前提にしたGaming Notebook向けにはむしろRaptor Lake Refreshの方が向いているという判断なのだろう。実際Ryzen 9 7945Xとのゲーム性能比較(Photo07)やRyzen 9 7945HX3Dも交えての比較(Photo08,09)なども示され、その性能をアピールした。ゲームだけでなくアプリケーション性能に関しても結果が示されている(Photo10)。
ちなみにHXシリーズ以外に、Desktop向けについても簡単に性能比較が示された(Photo11,12)。
またこれに続く製品としてArrow LakeとLunar Lakeがある、という話は元旦ロードマップでもご紹介した訳だが、今回改めて「2024年中に投入する」とされた(Photo13)。そして会場ではLunar Lakeのサンプルも披露された(Photo14)。
Automotive SoC
次いで現地時間の1月9日には"Accelerating the Road Ahead: How Intel Automotive Drives Intelligence into Every Mile"という講演が行われたが、ここでSDV SoCが披露された(Photo15)。
講演では、Jack Weast氏(Fellow, VP&GM, Intel Automotive)により、自動車業界はまもなくEVに向けて変革期に入ると説明があり(Photo16)、またこれに向けて車内のアーキテクチャもSDV(Software Defined Vehicle)に変わる、と説いた(Photo17)。そのSDV向けのプロセッサとして今回発表されたのが新しいSDV SoCである(Photo18)。これを利用する事で、様々な用途がソフトウェアの変更だけで動作する(Photo19)という話であり、こんな特徴が語られた(Photo20)。ちなみにAEC-Q100 Qualifiedとはされているが、Gradeの方は不明である。構成から言って、Intel 7あたりで製造されていると思われ、自動車向けのIntel 16で作り直したという訳ではなさそうだし、だとするとGrade 3(-40℃~+85℃)あたりかもしれない。ちなみにプレスリリースによれば"The new family of AI-enhanced SDV SoCs address a critical industry need for power and performance scalability."とされるが、その"AI-enhanced"をどう実現しているのかの説明は今回無かった。単にXeコアでAI Workloadを処理しているだけ、という可能性も捨てきれない。
ちなみに更に先の話として、EVにはLiバッテリーがつきものであるが、こちらの消費量をどう抑えるか(Photo21)という課題に対し、IntelはノートPCの消費電力を抑えることでバッテリー寿命を延ばす(=同じバッテリー寿命ならバッテリーの容量を減らせる)技術に長けており、同じ仕組みをECUに施すことで30~40%の効率改善が可能になる、としている(Photo22)。
また現在の自動車向けのECUはほぼMonolithicな構造であるが、新たにOpen Automotive Chiplet Platformの設立に向けてimecと協業、自動車向けに求められる品質や信頼性条件を満たすチップレットパッケージの開発を行ってゆく事も明らかにした。