米Googleは1月9日(現地時間)、家電・電子機器の見本市CESにおいて、Androidのデバイス連係を向上させる新機能を発表した。Samsungと協力して、GoogleのNearby Share(ニアバイシェア)とSamsungのQuick Share(クイック共有)を統合し、それをAndroid標準のファイル共有機能としていく。名称は「Quick Share」とする。また、「Fast Pair」をGoogle TVに拡大。Android AutoでEV(電気自動車)のリアルタイムのバッテリー情報をGoogleマップと共有して活用する。

Googleは2020年に、近くにあるAndroidデバイスとの間でファイルやアプリを送受信できるニアバイシェアの提供を開始した。また、SamsungもGalaxy向けにクイック共有の提供を開始してユーザーを広げ、2つのファイル共有機能の存在がAndroidユーザーを混乱させることがあった。

新しいQuick Shareは、AndroidおよびChromebookのエコシステム全体で、ピアツーピアでコンテンツを共有するための標準オプションとして提供される。新しいQuick Shareアイコンをタップすると、近くにあるQuick Shareを利用できるデバイスのリストが表示されて簡単にファイル共有を行える。プライバシー管理については、ユーザーのデバイスを見つけてファイルを送信できる人を「全員」「連絡先のみ」「自分のデバイス」から選択できる。

新しいQuick Shareは、現在ニアバイシェアを利用できるAndroidデバイスには2月から順次提供される予定。Quick Shareによるデバイス間共有をさらにシームレスにするために、LGなどPCメーカーと協力し、Windows PCにもプリインストールアプリとしてQuick Shareを拡大していく。

Android携帯やChromebookにBluetoothヘッドフォンをすばやく接続できる「Fast Pair」機能が、2月に「Chromecast with Google TV」で利用できるようになる。今年後半には、さらに多くのGoogle TVデバイスに拡大する予定だ。

キャスト機能については、9日からTikTokのコンテンツをスマートフォンからChromecast内蔵デバイスにキャストできるようになった。さらに、近日中にTikTokのライブビデオのキャストも可能にする予定。

2024年のLG TVシリーズなど今年もChromecast内蔵デバイスが多数登場し、後半にはChromecast内蔵機能がLG HospitalityとLG Healthcareにも広がる。また、Hisense ULEDやULED Xシリーズ、TCL Q ClassやTCL QM7など、CESでは多数のGoogle TVを搭載したスマートTVが発表された。

Android AutoでEVのリアルタイムのバッテリー情報がGoogleマップと共有されることで、目的地到着時のバッテリー残量の予測や、移動中の充電スポットでの充電の提案などがマップ上で提供されるようになる。これは米国において、Fordの「Mustang Mach-E」や「F-150 Lightning」から数カ月中に提供が始まる。