ミュージカル『トッツィー』の公開ゲネプロが9日に東京・日生劇場で行われ、山崎育三郎、愛希れいか、昆夏美、金井勇太、岡田亮輔、おばたのお兄さん、エハラマサヒロ、羽場裕一、キムラ緑子が取材に応じた。
同作は、ダスティン・ホフマン主演で1982年に公開された映画『トッツィー』のミュージカル化作。売れない俳優のマイケル・ドーシー(山崎育三郎)は、仕事が欲しい一心で女性になりきって“ドロシー・マイケルズ”と名乗り、女優として一躍人気者に。人望を集め同じ舞台で共演することになったヒロイン役のジュリー(愛希れいか)との友情も深めていく中で、素のマイケルはジュリーに恋をしてしまう。公開ゲネプロでは、Wキャストのマックス・ヴァン・ホーンを岡田が演じた。
■ミュージカル『トッツィー』の公開ゲネプロを実施
「お客様が入って完成する舞台なので、どうやって受け止めてくれるかが楽しみ」という 山崎。「コメディなので英語をそのまま日本語訳すると観客に伝わりづらい表現がたくさんあって、みんなで何回も話し合って、何回台本変わったか思い出せないくらい。ここに日本を代表する芸人のお二人がいるので……」と、エハラとおばたに話を振ると、2人は大慌て。「ミュージカル俳優です。ちょっとユニークなことも言う」(エハラ)、「吉本のミュージカル班で来ているので」(おばた)と弁解する。
山崎が「いろいろなアドバイスを。間の取り方だったり、『お笑いってこういうふうに作っていくんだよ』という講義もしていただいて」とジョークを飛ばすと、エハラは「そんなことしてない!」と否定。「だから滑ったら、この2人のせい」という山崎だが、エハラは逆に「台本は山崎育三郎監修で。育三郎さんもお笑いめっちゃ好きやから、台本の直しも『すごいな』『それいいですね』というのがめっちゃあって、面白いところをプロデュースしてくれたので、そのうちルミネで『山崎育三郎寄席』みたいなのもやってもらいたい」と山崎のお笑いセンスを絶賛する。おばたも「コメディうますぎて、僕ら引いてます。意外すぎて必見です」と称えると、山崎は「もっと言って」とまんざらでもない様子だった。
女装姿については女性陣からも「きれい」と評判で、キムラは「こっちの“ドロシー”を長いこと稽古場で見ていて、時々男の人に変わるじゃない。『こっちが本当の育ちゃんだった』って思うことない? 慣れすぎて」と周囲に問う。愛希は「ドロシーと接してる時間が長いので、不思議と女友達みたいに思っちゃってました」と同意し、山崎も「自然と女性たちとの距離が近くなりますよね」と変化を感じているという。
役の影響についても「ちょっとあるの。足がガニ股じゃいられなくなってくるというか。最近もテレビ番組出させていただいた時に、自分も気づかないうちに足が……」とスカートをたくし上げ、周囲は「きれい!」と騒然。山崎は「脚きれいでしょ?」と自慢しつつ「ずっとこうやって(脚を揃えて)座ってて。男性の格好をしているんですけど、気づかないうちにドロシーになってる瞬間ありますね」と明かす。今作での着替えについては「早替えが30回なんです。(舞台上にいない時間は)1番長くて1分30秒くらい。最速では約40秒で早替えするので、ぜひ舞台裏を見てほしいというくらい、FIのピットみたいにバーっとメイクから全部してもらって、ネイルもつけてイヤリングも全部やってもらう」と状況を説明した。
最後に山崎は「2024年は震災がありまして、被災された皆様には1日も早く心穏やかに過ごせる日々が来るといいなと心から祈っております」とメッセージ。「僕たちは公演初日を迎えますけど、当たり前ではなくて。1回1回、もし明日がなくてもやりきったと思えるような公演を目指して、大切に演じていきたいと思っております。『トッツィー』カンパニーとして日生劇場に募金箱を置かせていただきますので、少しでも寄り添うことができればと思います」と語った。
東京公演は日生劇場にて2024年1月10日〜30日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて2月5日〜19日、名古屋公演は御園座にて2月24日〜3月3日、福岡公演は博多座にて3月8日〜24日、岡山公演は岡山芸術創造劇場 ハレノワにて3月29日〜30日。