FA待たずメジャーリーグ入り志願も…ポスティングシステムでのMLB移籍が叶…

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 今オフ、山本由伸が12年総額3億2500万ドルの超大型契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。近年は、NPBで結果を残した選手がポスティングシステムを行使し、MLB入りする例も多い。一方で、メジャー挑戦の希望が叶わなかった選手も存在する。そこで今回は、ポスティング申請での移籍が出来なかった一流選手を紹介する。
 
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菅野智之

投打:右投右打
身長/体重:186cm/95kg
生年月日:1989年10月11日
経歴:東海大相模高 - 東海大
ドラフト:2012年ドラフト1位
 
 日本のエースとして君臨した菅野智之も、メジャー移籍が叶わなかった選手である。
 
 東海大相模高校から東海大学に進むと、大学では無双状態のピッチングを披露。入団拒否から1年間の浪人を経て、読売ジャイアンツに入団した。
 

 
 実力通りの結果をプロの世界でも見せつけ、ルーキーイヤーに13勝を記録。その後も活躍を続け、最優秀防御率、最多勝、沢村賞など名立たる投手タイトルを受賞。日本を代表する右腕となった。
 
 傑出した実績を引っ提げ、2020年オフにポスティングシステムを申請。メジャーの複数球団と交渉を続けていたが、希望した金額と開きがあったため、メジャー移籍を断念した。
 
 翌年以降は本来の姿とはいえず、2023年は4勝どまり。2年連続でBクラスに沈んだチームを立て直すためには、菅野の復調が何よりも求められてくるだろう。





菊池涼介

投打:右投右打
身長/体重:171cm/71kg
生年月日:1990年3月11日
経歴:武蔵工大二高 - 中京学院大
ドラフト:2011年ドラフト2位
 
 不動の正二塁手として広島東洋カープを支えている菊池涼介も、ポスティングシステムによるメジャー移籍を目指した一人だ。
 
 高校時代に目立った活躍はなく、中京学院大学に入学した菊池。大学では代名詞とも言える守備はもちろん、打撃でも非凡なスキルを発揮し、ドラフト2位で広島に入団した。
 

 
 入団2年目で規定打席をクリアすると、2014年は全試合出場で打率.325をマーク。2016年からは田中広輔、丸佳浩らと上位打線を担い、同年は最多安打(181本)を獲得するなど、「つなぎの2番打者」として最高の役割を果たした。
 
 その後も貴重な役割をこなし続け、2019年オフにメジャー挑戦を表明。しかし、打撃面での評価は厳しく、FA市場の動きが遅いという背景もありって最終的には広島残留を決断した。
 
 近年は打撃面で苦しむシーズンもあるが、最大の魅力である二塁守備はいまだ健在。2022年はリーグ最多の32犠打を記録するなど自身の役割を全うし、2023年オフには新たに2年契約を結んだ。今後もチームを牽引し、6年ぶりリーグ優勝を目指す。





入来祐作

投打:右投右打
身長/体重:174cm/80kg
生年月日:1972年8月13日
経歴:PL学園高 - 亜細亜大 - 本田技研
ドラフト:1996年ドラフト1位
 
 読売ジャイアンツ時代には最高勝率のタイトルを獲得した入来祐作。ポスティングシステムでのメジャー移籍こそ実現しなかったが、結果的にMLB入りを果たしている。
 
 大阪屈指の強豪校だったPL学園高校に入学した入来。しかし、当時は上宮高校など強力なライバル校の壁に阻まれ、甲子園出場は叶わなかった。
 

 
 しかし、ポテンシャルの高さを評価されてドラフト1位で巨人に入団。高卒5年目となる2001年にキャリアハイを大幅に更新する13勝をマークし、最高勝率(.765)に輝いた。
 
 2003年には北海道日本ハムファイターズにトレード移籍。2年間プレーしたのち、2005年オフにポスティングシステムを申請。しかし、ポスティングでの入札球団は現れなかったため自由契約を選び、ニューヨーク・メッツに入団した。
 
 その後はマイナーリーグでプレーを続けたが、メジャー昇格を果たせないまま帰国。最後は横浜ベイスターズで現役生活を終えた。






岩隈久志

投打:右投右打
身長/体重:190cm/95kg
生年月日:1981年4月12日
経歴:堀越高
ドラフト:1999年ドラフト5位
 
 ポスティングシステムによる移籍を巡り、交渉権を獲得した球団と交渉がまとまらなかったのは、岩隈久志が初めてだった。
 
 堀越高校からドラフト5位で大阪近鉄バファローズに入団すると、徐々にエース格として成長を見せ、2004年には最多勝(15勝)、最高勝率(.882)の投手2冠を獲得した。
 

 
 その後、2005年に新規参入となった東北楽天ゴールデンイーグルスへ加入。数年間は苦しんだが、2008年は21勝、勝率.840、防御率1.87と圧巻の数字で投手3冠、シーズンMVP、沢村賞などに輝いた。
 
 2009年のAクラス入り(2位)の躍進にも大きく貢献し、2010年にポスティングシステムを申請。オークランド・アスレチックスと交渉を進めていたものの、希望額の隔たりが大きく、交渉決裂となった。
 
 その後、2011年オフに海外FA権を行使してシアトル・マリナーズに入団。抜群の制球力をメジャーの舞台でも見せつけ、計3度の2桁勝利を記録した。
 
 また、2015年にはノーヒットノーランを達成。チームのエース格として躍動し、低迷期にあったチームを支えた。






大塚晶文

投打:右投右打
身長/体重:186cm/90kg
生年月日:1972年1月13日
経歴:横芝敬愛高 - 東海大 - 日本通運
ドラフト:1996年ドラフト2位
 
 第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で初の胴上げ投手に輝いた大塚晶文も、ポスティングシステムでの入札がなかった選手だ。
 
 横芝敬愛高校から東海大学に進学し、リーグ戦で最優秀投手にも輝いた大塚。その後は社会人野球の日本通運でプレーを続け、ドラフト2位で近鉄バファローズに入団した。
 

 
 プロ2年目にクローザーとして起用され、35セーブを挙げて最優秀救援投手に輝くと、その後も安定した成績を残し、6年間で計120セーブを記録。同年オフにポスティングシステムを申請したが、入札する球団はなかった。
 
 それでも、中日ドラゴンズに所属した2003年オフ、2度目となるポスティングシステムを行使してのメジャー挑戦が実現し、サンディエゴ・パドレスに入団。初年度からセットアッパーとして定着し、73試合登板で防御率1.75という圧巻の成績を収めた。
 
 翌年にも防御率1点台と活躍し、チームの地区優勝に貢献。2006年からはテキサス・レンジャーズでプレーし、クローザーとして32セーブを挙げる大活躍を見せた。







西川遥輝

投打:右投左打
身長/体重:181cm/79kg
生年月日:1992年4月16日
経歴:智弁和歌山高
ドラフト:2010年ドラフト2位
 
 2024年からは東京ヤクルトスワローズでプレーする西川遥輝も、過去にポスティングシステムでのメジャー移籍を試みた選手だ。
 
 智弁和歌山高校で1年夏からベンチ入りを果たし、夏の甲子園には3年連続出場。故障もありながら活躍を続け、ドラフト2位で北海道日本ハムファイターズに入団した。
 

 
 高卒2年目から頭角を現し始めると、2014年に43盗塁をマークして盗塁王を獲得。その後は打撃面でも実力を見せつけ、リードオフマンとして活躍した。
 
 2020年には打率.306、42盗塁の成績を残し、同年オフにポスティングシステムによるメジャー挑戦を表明。しかし、コロナ禍の影響を受けたこともあり、移籍を断念した。
 
 すると、翌2021年は不振に陥ってノンテンダーFAとなり、東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍。しかし、楽天でも輝きを取り戻すことはできなかった。
 
 2023年オフには戦力外通告を受け、来季からヤクルトの一員となることが決まった。置かれた立場は依然として厳しいため、かつてのように躍動する姿をもう一度見せてほしいところだ。



 


 

 
【了】