ロッテ・佐藤都志也(C) Kyodo News

 「打てる捕手として期待されている。キャッチャーとしてもそうですし、打てるバッターとしてやって生き残っていきたい」。

 ロッテの佐藤都志也はプロ入りから“打てる捕手”になることを掲げている。

 プロ入りからの打撃を振り返っていくと、1年目の20年6月27日のオリックス戦(ZOZOマリン)、1-1の10回二死一、二塁の場面に代打で登場し、澤田圭佑が投じた初球のチェンジアップをライト前に弾き返し、プロ初安打&初打点を放つと、プロ入り後初めて3番でスタメン出場した同年9月20日の日本ハム戦では本塁打を放った。

 2年目の21年には6月4日のDeNA戦で初めて1試合2本塁打と猛打賞を達成し、11月6日の楽天とのCSファーストステージ第1戦、4-4の9回一死二塁から宋家豪が1ボール1ストライクから投じた3球目の148キロストレートをライト前に打ち返すサヨナラ適時二塁打。

 3年目の22年は4月1日の西武戦、1-1の10回一死満塁で平井克典が3ボール2ストライクから投じた7球目のスライダーをライトへサヨナラ犠飛、4月5日の日本ハム戦では4番・捕手で出場するなど、同年はシーズン自己最多の8本塁打、31打点をマークした。

 4年目の昨季は好不調の波が大きく、打率.218、4本塁打、22打点の成績だった。それでも、負けるとクライマックス・シリーズ進出が消滅する絶対に負けられない4位・楽天との10月10日のシーズン最終戦に『8番・捕手』で先発出場し、打っては8回に2点適時二塁打、守っても先発・小島和哉を7回無失点に抑える好リードを見せるなど、攻守にわたって活躍し勝利に貢献した。

 佐藤は打てる捕手としての目安について「打てることに越したことはないですけど、2割5分以上は打ちたいなと」と話し、目指すべきところについては「勝負強いところ。打点、あとは長打、なんですけどホームランは延長でいいいかなというくらいで、二塁打、ライナー性の打球で右中間、左中間というイメージではあります」と教えてくれた。

▼ 佐藤都志也の年度別打撃成績

20年  60試 率.228 本2 点12 出塁率.296

21年  62試 率.205 本6 点18 出塁率.284

22年 118試 率.214 本8 点31 出塁率.260

23年 103試 率.218 本4 点22 出塁率.289

◆ 打てる捕手は?

 千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)に本拠地を移転した92以降のロッテ捕手陣の打撃成績を見ると、規定打席に到達したことがあるのは里崎智也氏(06年、07年、09年)と田村龍弘(18年)の2人。

 本塁打・打点を見ても、92年以降では本塁打は里崎氏が06年にマークした17本、打点は07年の75打点が捕手陣の中ではトップの記録になる。里崎氏は現役時代05年から10年にかけて6年連続2桁本塁打を放ち、50打点以上挙げたシーズンが3度ある。規定打席に到達したシーズンは06年が打率.264、07年が.270、09年が.234と、09年以外は打率が2割5分以上打った。09年は打率2割5分に届かなかったが、本塁打は10本放ち、打点も49挙げている。

 ちなみに、08年は里崎氏が打率.261(330-86)、15本塁打、45打点、橋本将氏が打率.311(280-87)、11本塁打、55打点と、捕手の2人で打率.284(610-173)、26本塁打、100打点と、とても捕手の成績とは思えないほど打ちまくった。

 佐藤が本格的に“打てる捕手”として機能すれば、チームの打撃力は間違いなくアップする。好不調の波を小さくし、打てる期間が長くなれば、打率、そして佐藤が目指す勝負強さを発揮する場面が増えていきそうだ。今季こそ“打てる捕手”になってほしい。

▼マリン移転後の92年以降のロッテ捕手シーズン打撃トップ3

【本塁打】

1位 17本 里崎智也(06年)

2位 15本 里崎智也(08年)

3位 14本 里崎智也(07年)

【打点】

1位 75打点 里崎智也(07年)

2位 56打点 里崎智也(06年)

3位 55打点 橋本 将(08年)

【規定打席到達者】

06年 里崎智也(率.264 本17 点56)

07年 里崎智也(率.270 本14 点75)

09年 里崎智也(率.234 本10 点49)

18年 田村龍弘(率.239 本 3 点35)

取材・文=岩下雄太