BMW Z4を「実用的じゃない」なんて言わせない!|『Octane』UKスタッフの愛車日記

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、アイドリング不調だったBMW Z4の不具合の原因究明に励んだロバートがお届けする。どうやら、奥様にも一言モノ申したいことがあるそうで…

【画像】長尺モノでも運べる!実は実用的(?)なBMW Z4

私の2004年BMW Z4のアイドリングが不調になってから数ヶ月が経った。エンジンが暖まるまで回転が上がりっぱなしになってしまったのだ。

まずはマス・エアフロー・センサーの不具合を疑った。簡単なテストとしては、プラグを抜いてバイパスさせることで解決するかどうかを確認すること、とのことだった。エンジンは正しい空燃比を保てないかもしれないが、マス・エアフロー・センサーに故障などがあれば違いが出るはずだった。しかし、違いは出なかった。

疑われる点を消去法で消せば消すほど、可能性のある解決策はより悪く、より高くつくように思えてきた。タイミングチェーンのシステムに直結している、エンジンルームの奥深くに埋もれたバキュームポンプの不具合のせいかと思うと夜も眠れない日もあった。厳密にいえば、この不具合に気付かないふりをしてもう少しやり過ごすこともできた。しかし事態が深刻だった場合、最終的にどんなことが起こり得るのかを知りたかったし、そのまま問題を先送りして課題が山積みになってしまうのも避けたかった。

このアイドリング不調に関して、自分で診断できる範囲で考えられることはもうすべてやり尽くしてしまっていた。家族の休日は、仕方なく4人乗りのファミリーカーのフォーカスでしのぐことにした。ペンブルックシャー州を1週間ほどドライブする旅で、これは地元の自動車修理工のスチュアート・テンプルトン(templetonsgarage.co.uk)にBMW Z4を預ける絶好の機会となった。

「そろそろ直ったか?」とスチュアートに電話するのは週明けまで先延ばしにしていたが、結果を聞いて安心した。すべての修理は完了していて、状態も費用もそれほど恐ろしくも高額でもなかったのだ。実は、ホットフィルムのセンサーに欠陥があり、スロットルボディの固定用クリップも欠けていたとのことで、交換してくれたとのことだった。危ないところだった。

とは言っても、ホットフィルムのセンサーとは何のことだろう?私には見つけることはできなかっただろうし、聞いたことすらなかった。スチュアートは、マス・エアフロー・センサーを構成する2つの装置のうちのひとつだ、と説明してくれた。なるほど!

彼はまた、車自体のフィーリングも少し良くなったかもしれないと言ったが、まさにその通りだった!その週はずっとディーゼルエンジンのフォーカスに乗って慣れてしまったせいなのか、それとも新しいセンサーのおかげなのか、それはわからない。確かに、新しいセンサーによって全体的に電力供給がスムーズになっているように感じた。それに、この3.0リッターのエンジンがあらためて楽しくなったのは確かだ。

アイドリング不調のせいで不吉な予感がしながらも、私はこの車に乗り続けていた。と言うのはほとんどが、妻の言葉を借りると「バカバカしくて実用的でない車」による一人旅だったからだ。編集者のジェームス・エリオットや『ヒストリック・モータリング・アワード』で「アマチュア・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したアンドリュー・グリーンにも会った。そこで『Octane』245号に掲載された、ルノー5ターボのレディングでの撮影をディレクションした後、ジョーダン・バターズのBMW 1Mクーペの撮影も手伝うことになった。

とりわけ楽しかったのは、庭に植えるための木を2本、土曜日の早朝に別々の人のもとへ受け取りに行ったときだった。2本目の木を受け取るため、エドヴィンという人物のところに到着したときのこと。屋根を下ろし、帆のように木をなびかせながら車を停める様子に、彼は驚いていた。実はエドヴィンは、ちょうどZ4を購入したばかりだった。なので、フェイスリフト前のZシリーズの楽しさや欠点について盛り上がった後、「グルート」と挨拶してから家路についた。

ほら、ミセスHさん(筆者の妻のこと)、この車は実用的ですよ!

文:Robert Hefferon