宝島社が発行する月刊誌「田舎暮らしの本」は、「2024年版第12回住みたい田舎ベストランキング」を2024年1月4日発売の2月号で発表した。
移住定住の促進に積極的な市町村を対象に、移住支援策、医療、子育て、自然環境、就労支援、移住者数などを含む278項目のアンケートを実施。587の自治体からの回答をもとに、田舎暮らしの魅力を数値化し、ランキング形式で紹介している。
今年は、人口区分を「村」「町」「市」に分類。過去最多となる8グループ(村/1万人未満の町/1万人以上の町/3万人未満の市/3万人以上5万人未満の市/5万人以上10万人未満の市/10万人以上20万人未満の市/20万人以上の市)に分けてランキング。世代によって移住者のニーズや施策が多岐にわたるため、全世代対象の「総合部門」のほか、「若者世代・単身者部門」「子育て世代部門」「シニア世代部門」の全4部門でランキングを発表している。
村
「村」の総合部門では「山梨県丹波山村」が第1位に選ばれた。30年以上にわたり「親子山村留学」を続けている丹波山村。村長の木下喜人氏によれば、移住の問い合わせが多数寄せられており、その多くが30代、40代の子育て中の若い世代だそう。2022年度からはコミュニティ・スクールの活動も始まり、自然体験、伝統文化継承、地場産業・特産品の三本柱で、体験学習に力を入れているという。
人口1万人未満の町
「人口1万人未満の町」では、福島県浪江町が総合部門1位を獲得。浪江町の魅力としては、温暖な気候で暮らしやすいことや、移住者同士の交流が盛んなこと、飲食関連の起業や新規就農などスタートアップの環境も整っていること、水素の地産地消を実現する最先端のテクノロジー、福島国際研究教育機構(F-REI)の立地など、新しい技術に挑戦していることなどが挙げられる。
人口1万人以上の町
「人口1万人以上の町」では、鳥取県琴浦町が、総合部門、子育て世代部門、シニア世代部門で1位を獲得。琴浦町は住民主体の地域づくり活動が盛んで、イベントなどの開催も多いとか。若い人が楽しめる活動が多く、チャレンジしやすい環境があるという。名峰・大山から日本海まで、雄大な自然が楽しめるのも魅力となっている。
人口3万人未満の市
「人口3万人未満の市」では、大分県豊後高田市が全部門で1位を獲得し、12年連続ベスト3入りを達成した。豊後高田市では、全世代が恩恵を得られるよう、ライフステージに応じた185項目の移住・定住支援を用意。また、子どもが生まれる前から高校を卒業するまで「8つの無料」制度を実施している。
人口3万人以上5万人未満の市
「人口3万人以上5万人未満の市」では、岐阜県恵那市が3部門で初の1位を獲得した。恵那市では高校生までの医療費無償化や第3子誕生の祝い金の支給、ICT教育の推進など子育て施策に力を入れているという。移住施策でも、補助金の拡充や、移住者が起業相談などをしやすい体制をとっている。
人口5万人以上10万人未満の市
「人口5万人以上10万人未満の市」では、宮城県栗原市が総合部門で1位を獲得。新幹線を使えば約30分で仙台市へ通勤・通学が可能。東京駅へは約2時間とアクセス良好な栗原市。「子育てに優しい街栗原。(ビッくりはら!)」を掲げ、子育て支援にも力を入れている。
人口10万人以上20万人未満の市
「人口10万人以上20万人未満の市」では愛媛県今治市が2年連続、4部門すべてで1位を獲得した。今治市の子育て支援では、18歳年度末までの医療費が無料になるなど、妊娠期から18歳までの子どもがいるすべての家庭を切れ目なくサポート。求人意欲が旺盛な企業も多く、就職懇談会や起業・事業承継のセミナーなど、自治体も地元企業も本腰で取り組んでいるという。
人口20万人以上の市
「人口20万人以上の市」では、愛媛県松山市が総合部門の1位に選ばれた。松山市では、海・山・島・街が揃っているので多様なライフスタイルが実現。移住者交流会や子育て世代の交流会が定期的に開催され、仲間を見つけやすいのも魅力だという。