自身の代表作ともいえる松本清張作品『黒革の手帖』第2弾の『拐帯行』以来、約3年ぶりのドラマ復帰となる武井咲が、30年ぶりとなる地上波ドラマ復帰を果たす後藤久美子とテレビ朝日系ドラマ『顔』(3日 21:00~)でW主演を務める。これまで幾度となく実写化されてきた不朽の名作『顔』を浅野妙子氏の手で現代版へと大胆にアップデートする今作。殺人を犯した「覆面アーティスト」井野聖良(武井)と殺人犯を目撃した「弁護士」石岡弓子(後藤)による、追いつ追われつのサスペンスが展開していく。
今作で武井は、10代の頃にCMの現場で会って以来だという大先輩・後藤久美子とドラマ初共演。9月の会見では後藤が武井の家族に会いたいと熱望していたが、果たして実現したのか。現場でのエピソードを聞いた。
約3年ぶりドラマ出演は「すごく楽しみでした」
――松本清張作品『黒革の手帖 〜拐帯行〜』以来、約3年ぶりのドラマ出演となりますが、いかがでしたか。
お話をいただけたときから、久しぶりに現場に戻れることがすごく楽しみでした。ドラマ決定から撮影まで少し時間があったので、しっかり心の準備ができて。3年間は余裕もなく時間が過ぎ去っていたのですが、出演が決まってからは、テレビを見ているときに「私だったら、どう演じるかな」とふと考えることが増えましたね。現場に入ると、やっぱり仕事をしている時間、現場で誰かとお話しする時間は楽しいなと感じました。
――脚本を読んだ感想を教えてください。
松本清張作品という揺るがない骨組みがありながら、現代版にアップデートされていることにビックリしました。“覆面アーティスト”は、最近では馴染みのある存在ですが、顔を見せないところに秘密が隠されているというサスペンスになっているのが、松本清張ならではの面白さと上手く噛み合っているなって。読んでいてワクワクしました。
後藤久美子にかけられた印象的な言葉
――今作では後藤久美子さんとW主演を務められますが、ドラマ初共演の感想を教えてください。お会いするのは10代の頃のCMぶりだったとか。
そうなんです。後藤さんもそのときのことを覚えててくださっていて、「大人になったね」と言っていただけました。私にとってはまるで幻のような存在ですが、後藤さん自身はすごく気さくにお話ししてくださる方で。現場で「こうした方がいいよね、ああした方がいいよね」と親身になって相談に乗ってくださったりして、作品に同じ気持ちで向かっている存在だったので、すごくやりやすかったです。
――後藤さんからかけられた印象的な言葉があれば教えてください。
健康で美しくあることが一番大事だよねと仰っていて。後藤さんは若いときに結婚と出産をされていて、プライベートとお仕事のバランスを取ってきた方なので、お話していただくこと一つひとつに説得力がありました。「自分自身が幸せでいることが家族の幸せになる」とか、「『こうしなきゃダメ、こうしたことが良くなかった』と思うのではなく『自分が選んだんだからそれでいいじゃん』と考える」とか、ポジティブな考えをたくさん教えていただきました。
武井咲&後藤久美子の共演作、第2弾も密かに期待
――9月の会見では、後藤さんが武井さんのご家族に会いたいと仰っていましたが、実現しましたか。
実現しました! お写真も撮っていただけて、娘たちにプレゼントをくれてかわいがってくれました。後藤さんは3人のお子さんを育てられていて、ママとしても大先輩。私が緊張しちゃってなかなか話しかけられなかったりもしたのですが、後藤さんからご家族のことをいろいろ話してくれて、もうそれだけでうれしかったです。
――そんな後藤さんと、また共演がしたいですか。
制作発表のときに後藤さんが、「2人の共演の第1弾です」って言ったんです。その隣で私は、「ってことは、第2弾があるのかな!? 後藤さん、はっきり言ったよね? 記者の皆さんがしっかり聞いてますよね?」って思って(笑)。密かに期待しています。
――楽しみにしています! では最後に、ドラマを楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
お正月の1月3日放送ということで、たくさんの方に見てもらえたらうれしいです。松本清張作品という重みのある物語でありながら、現代版にアップデートされた新しい作品になっています。若い方も楽しめる内容に仕上がっているので、1人でも、家族でも、ぜひじっくりとご覧ください。
1993年12月25日生まれ、愛知県出身。2007年、雑誌「セブンティーン」の専属モデルとしてキャリアをスタート。2008年に『櫻の園-さくらのその-』で映画デビュー。『るろうに剣心』シリーズ(12年、14年、21年)で、幅広い層から支持される。『愛と誠』『今日、恋をはじめます』(12年)、『黒革の手帖』(17年、21年)などに出演。
■スタイリスト:二見綾子/ヘアメイク:竹下あゆみ/■衣装:カーディガン、シャツ、パンツ:すべてAKIRANAKA/アキラナカ(問い合わせ先:ハルミ△ショールーム)