東京から新幹線で1時間ほど。温泉に海、おしゃれなスイーツが数多く集まる、人気観光地・熱海には、時代に合わせて進化を続ける、関東屈指のパワースポットがあります。それが、約1,300年前から来福・縁起の神として信仰されている「來宮神社(きのみやじんじゃ)」。
境内には樹齢2100年以上の大楠(おおくす)があり、ぐるっとひと回りすれば、願いごとがかなう、寿命が1年延びるなんて伝説も! 写真映えする工夫もバッチリで、フォトジェニックな仕掛けが満載です。
「來宮神社」は、ただのパワースポットのみならず。ご利益をいただきつつ、映える写真を撮りたい人にもぴったり。
■癒やしの気で満ちた境内
JR「熱海駅」からバスで約20分。お隣の「来宮駅」から歩いて5分。「來宮神社」は川のせせらぎが聞こえる、自然豊かな熱海市西山町に境内を構えます。
神域への入り口は赤い鳥居が目印です。一度立ち止まり、一礼をしたら、参道を進みます。鳥居から御本殿まで続く参道は、竹林の小径(こみち)。サラサラと笹が擦れ合う葉音が、耳に心地良く響きます。
階段を上ると、開けた場所に御本殿が鎮座しています。365日ここで見られるのが、落ち葉で作られたハートマーク!
聞けば毎朝、神職さん自らハートマークを作っているのだとか。落ち葉は自然のものだから、葉っぱの色が変化したり、ハートの形も人それぞれ。一期一会のものだと思うとまた味わい深いですよね。
「えっ、神社でハート?」と思われるかもしれませんが、正式にはハートではなく、「猪目(いのめ)」という模様。古来厄よけや魔よけなどの意味が込められているそうです。
「こんなにかわいいハートがあるなら、写真が撮りたい……」そんな参拝客の気持ちをしっかりキャッチして、形にしてくれるのが「來宮神社」のうれしいところ。映えるところに、ピンポイントでスマホスタンドが設置されています。
■來宮神社のご利益・参拝方法
御祭神は、次の3柱です。
・武勇や決断の神様、日本武尊(やまとたけるのみこと)
・樹木や自然保護の神様、五十猛(いそたけるのみこと)
・縁結びや商売繁盛の神様、大己貴命(おおなむちのみこと)
「來宮神社」には3人もの神様が祀(まつ)られていますが、そもそもの起こりは"五十猛"から。その昔、熱海湾で漁をしていた漁師さんの網に御神像が3度も引っかかり、不思議に思っていたところ、夢の中に五十猛が現れ、「波の音が聞こえない7本の楠の木が生えた場所に、私を祀りなさい」と言ったのがはじまりだとか。
また実は、名前も現在の「來宮神社」ではなく、江戸時代は「木宮明神」と呼ばれていました。これは、古くから「木」に宿る神様(五十猛)をお祀りする神社として、崇敬を集めていたからなのだそう。
参拝方法は、二礼・二拍手・一礼。優しくさい銭箱におさい銭を入れたら、神様にご挨拶の意味を込めて軽くお辞儀をします。次に、深々とお辞儀を2回行い(二礼)、拍手を2回します(二拍手)。このとき、心の中で感謝の気持ちを伝えて、御祭神に願いごとをしましょう。最後に、深いお辞儀を1回(一礼)したら終了です。
さらに境内には、摂社(せっしゃ)や末社(まっしゃ)と呼ばれる小さなお社が3つ(来宮弁財天・來宮稲荷社・三峯神社)点在しています。一度の参拝で、あらゆる運気を上げたいなら、くまなくお詣りするようにしましょう。
筆者のイチオシは「來宮弁財天社」。こちらの弁財天さま、金運を爆上げしてくれるパワースポットとして有名です。さまざまな物が値上がりする昨今、願わずにはいられませんよね。
■神社でジブリの世界にトリップ!?
お詣りを済ませたら、次はいよいよ大楠とご対面。大楠へ会いに行くには本殿脇の小径を通るのですが、この道がまたすてきなの!! 両脇の竹林が空高く葉を広げ、まるで緑のトンネルのよう。
聞けば、宮司さんがジブリ映画の「トトロの小道」をイメージして作ったのだとか。あぁ、なんてファンタジー!
そして、小径を抜けた先に現れるのが、大地にずっしりと根を張る大楠。あまりの神々しいオーラに、しゃきっと身が引き締まります。この大楠、幹の周りだけでなんと約24m! 本州1位の巨樹認定を受けているだけに植物……というよりも、この木そのものがパワフルな神様みたいです。
しかも不思議なことに、2100年以上も行き続けた今もなお、若葉を茂らせているというから驚きです。生命の輝きに満ちあふれた大楠は、まさに“関東屈指のパワースポット"と呼ばれるのにふさわしい!
大楠は「不老長寿」や「無病息災」の象徴とされ、ぐるりと1周すると、寿命が1年伸びると言われています。右回りか左回りか、正式なルートは決まっていませんので、直感で決めるようにしましょう。
ちなみに、神社の創建は今から約1300年前。大楠が樹齢2100年以上なので、実は大楠の方が神社よりも大先輩です!
さらに大楠には、心願成就のご利益もあるとされています。心の中でかなえたい願いごとを祈りながら、幹をひと回りしましょう。
なお、日没後から明け方ごろまで、大楠はライトアップが行われます。閉門時間はありませんので、夜の大楠さんぽもおすすめですよ!
■大楠周辺の映えスポット
ひと味違った楽しみ方をするなら、立ったまま身を任せて大楠を眺められる「背もたれベンチ」や、鳥目線で大楠を眺められる展望台「紡來の縁」も足を運んでみましょう。大楠をいろんな角度で楽しめます。
2023年には、大楠の手前にユニークなおみくじ「大楠のこと葉」も登場。1枚200円で引くことができます。
中を開いてみると、大楠からのありがたいお言葉と一緒に、楠の木から作られた小さなチップが入っています。チップの種類は、「ハート」または「葉っぱ」の2つ。どちらが出るかは当日のお楽しみ。