2023年の食トレンドをコメが席巻

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例年「ぐるなび総研」では、毎年1年の世相を反映した食を選定し「今年の一皿」(※1)として発表しています。2023年に選ばれたのは「ご馳走(ごちそう)おにぎり」。彩り豊かな具材をふんだんに乗せた華やかな様子が、SNSを中心に話題となりました。また、専門店などで握りたてを楽しむスタイルも流行となっています。

さらに同賞の準大賞に選ばれたのは「米粉グルメ」。輸入小麦が国際情勢の影響で高騰する中、小麦粉の代わりに国産米粉を使用しようという動きがあったようです。また、米粉の製粉の技術が上がったことで菓子・パン・麺などに活用しやすくなり、そのもちもちとした食感も人気を集めています。

コメブームはこれだけではありません。レシピサービス「クックパッド」が最も注目を浴びた料理・食材を選出する「食トレンド大賞2023」では、米粉などを原材料とする「ライスペーパー」が大賞(※2)に輝きました。

※1 出典:ぐるなび総研「」「2023年「今年の一皿」その他各賞」
※2 出典:クックパッド「」

2023年大注目の外食「おにぎり専門店」の魅力とは? 

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コメブームをリードしているのが、急増しているおにぎり専門店といえるでしょう。

サケやタラコなどのオーソドックスな具材からカレーや豚キムチなどの珍しいものまで豊富なラインナップがそろっている店、具材がこぼれるほどたっぷりな店など、それぞれの店に特徴があります。また、専門店のおにぎりは握り方もプロフェッショナルで、家で作るものやコンビニおにぎりとはどこか違うようです。Xでは「おにぎりの具が多くておいしい」「米がふんわりとしている」という投稿も多数見られました。

おにぎり専門店を含めた、米飯類(弁当・すし・おにぎりなど)の惣菜における市場規模は2022年時点で4兆7699億円と、コロナ前(2019年)の水準にまで回復しており、なかでもおにぎりは年代・性別・地域に関わらず購入の頻度が高い商品となっています。(※3)
また、海外へ日本食文化が広まるなか、外国人にも手軽に食べられる「ONIGIRI」が定着しつつあるよう。数年前から海外進出をしている専門店も現れ始めています。

※3 出典:一般社団法人日本惣菜協会「」

コメブームは消費拡大につながるチャンス

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コメの1人あたりの消費量はこの半世紀で約半分(※4)になりました。現在は食の選択肢が豊富で、コメに代わる主食が多くあるのもその理由でしょう。
しかし、現代人がコメを食べるのはカロリー摂取だけが目的ではありません。品種ごとの味の違いや炊き方などを楽しむ人も増え、コメの食べ方は多様になっています。

そんな声はX(旧Twitter)でも。

これも海外だとなかなか食べられない、好物のしらす干しご飯。炊き立て土鍋ご飯で食べれば最強です😋

— ミャー@世界一周めし旅 (@mya_meshitabi)

やっぱお米って美味しいよなぁ。。。

ここも最近行ったところだけど、料理も美味しかったけど、とにかくご飯粒が美味しかった笑

TikTokで紹介されてたおにぎり専門店もそのうちぜひ行ってみたい!!

— はち(お米大好き) (@bk_hachi)

一般消費者がコメのおいしさを再発見するコメブームが続けば、「コメの消費拡大」につながる可能性も。農林水産省も、コメの消費拡大に向けたさまざまなイベントや試みを行っています。コメの消費拡大を目的とした農林水産省の情報サイト「やっぱりごはんでしょ!」では、コメを身近に感じるための情報を掲載、またSNS等でも発信しています。

近年まれに見るコメブームの到来は、コメ農家にとっても大きなチャンス。これを機に、国内におけるコメ消費拡大が期待されます。

※4 出典:農林水産省広報誌