出世や恋愛から、ちょっとした日々の目標まで。実力は十分なはずなのに、なぜか上手くいかない…。それって“運気”が影響しているかもしれません。では運の良い人、わるい人って何が違うのか?
たくさんの人の“運勢”を見ている、中目黒にある占いサロン『羅心盤』の人気占い師・結月(ゆづ)さんに「運勢とは何か」「運を味方にする方法とは何か」について聞いてみました。
■占い師が見ている2種類の運勢
──ライター歴1年のライター、伊藤です。 日々楽しく仕事をしていますが、今年ふとした時にこの職業が向いているのか不安に思うことがありました。結月さんに、私の仕事運を占っていただけますか?
結月 わかりました。では、78枚156通りのタロットカードと、生まれた月日から算命学と数秘術を用いて運勢を見てみますね。
伊藤さんがライターを始めたときが、ちょうど転換期といって、新しいことを始めると良い年だったみたいです。
2023年は基本的に地ならしの年で、どれだけ知識を入れてスキルを上げていけるかが勝負の年でした。土台を固めた上で、来年はチャレンジに適した飛躍の年になりますね。運勢の流れを掴んで動けているみたいなので、来年も安心して活動されたら良いと思いますよ。
ただ一般的に2023年は「安全・安心」が大きなキーワードでした。コロナ禍の前のように戻りたいけど戻らない。今までと同じであることを求めるほど苦しくなるからこそ、移り変わるものをどう受け止めてスタートラインに立つか。
ポジティブな人は変化を追い風に変えましたが、一般的には厳しい1年だったのではないかなと思います。
──カードに背中を押された気がします! 転職のタイミングも運勢に乗れていると聞いて安心しました! …ただ、そもそも“運勢”とはどのようなものなのでしょうか?
結月 私は、運勢は2つの種類があると考えています。
ひとつは「人生における運勢」。人生をジェットコースターに例えると、必死に耐えて登らなきゃいけないとき、思い切り滑り降りて楽しいとき、これを繰り返していると思います。
いい時もあればわるい時もあるのが人生で、いい時しかなかったらおそらく楽しみもない。この”人生の波”というのが、ひとつ目の運勢です。
──運勢がわるいときは何か良くないことがたくさん起きそうな気がします。
結月 お客様の中にも「運勢がわるいと言われた」と怖がる方がいます。でもそれは怖いものではなくて、自分が今置かれている現在地を確認するものだと思っています。
なので「今年運勢がわるいよ」と言われたら、動かずにコツコツ努力していたら、この先楽しい時間がくると解釈するといいと思います。
──そう考えると、運勢がわるいと言われても前向きになれそうですね。もうひとつの運勢とは、一体どのようなものでしょうか?
結月 もうひとつの運勢というのが「日々の運気」です。これはその方自身が日々「何を見ているか」だと思います。人生が波であるのと同じように、一日の中でも波がある。
まず前提として人間は意識したものしか目に入らないし、体験できません。
だから、日々の中で運が良い・わるいというのは、ハッピーを見つけるのが得意か苦手かの違いです。つまりふたつ目の運勢は「何にフォーカスするか」「自分がどうあるか」が大事です。
■わるいことが続くときの対処法
──では、運を良くするには「何にフォーカス」すればよいでしょうか?
結月 これからの時代は、物質的なものよりは、精神的なものに価値観が置かれるようになると言われています。そのため、物を持つことが裕福だと思っている人よりも、経験や人との交流が豊かさだと思っている人の方が、運気が良くなっていくでしょう。
目に見えないものをどれだけ見つけられるか。
「あれもこれも足りない」と思っている人は運がわるいと勘違いし、逆に「私はこんないいこといっぱいある」と思える人がどんどん運がよくなっていきます。ですので、日常から楽しいことをいっぱい見つけてください。
──うまくいかないときに「自分はだめな奴だ」と思ってしまうこともあるのですが、そんなときはどうしたらよいでしょうか?
結月 確かにわるいことって重なりますよね。お客様からクレームが来たりとか、体調を崩したりとか…。気持ちが落ちたときは、わるいことばかり目についてしまう気持ちはわかります。
そのときに大事なのは、自分は「息をしているだけでえらいんだ」と思うことです。たとえば、朝起きられたこと、歯を磨いたことだけでもえらくないですか? そんな自分を「私、えらいね」「よく頑張ったね」と言葉にして褒めてあげてください。
──そんな風にして、自分を褒めてあげたことはなかったかもしれません…。
結月 そこまでやらないと、気持ちが落ち込んでいるときは這い上がってこられないと私は思っていて。運気を良くするきっかけとして自分を褒めて「元の状態に戻す」ことが大事です。
どうしても運がわるいと思ってしまう人は「運がわるくても生きていられる」と考えるのはどうでしょうか。私たちが生まれてきたのも、何億万分の一の確率。
今生きていること自体が奇跡だと気がついてあげたらいいのかなと思います。
■“人とのつながり”で2024年も良い年に!
──2024年はどんな年になるでしょうか?
結月 2024年は「家庭」がキーワードの年です。身近なことではあるかもしれないけど、大事な人との結びつきが、人々の幸せに繋がる1年になります。お金がないと楽しめない時代ではありません。心持ち1つで全員が幸せになれるでしょう。
──来年も運を引き寄せるために、おすすめなことを教えてください。
結月 人とのつながりが重要になることによって問われるものは、やはり精神性です。
たとえば、勉強して知識をつけることや、瞑想などを通して自分の内側を見つめるのはよいかもしれません。写経などもよいですね。目に見えないものをどれだけ自分の中に取り入れていくかを意識することで、運を味方につけることができると思います。
捉え方一つで、自分の運勢を良くも悪くもできる。結月さんのお話から「今生きていることが素晴らしい」と気がついたあなたは“運がいい”ひと!
人との結びつき、優しさ、そして運も。目に見えないものを大切にすることで、2024年も豊かな1年にしていきましょう。
文/三坂輝プロダクション 伊藤千梅