2023年も、さまざまな魅力を持つデジタル機器が登場しました。今年は何といっても昨年以上の円高が直撃。デジタル機器の多くが値上げを余儀なくされました。そんな中でも購入を決めたお役立ちアイテムを、デジタル業界に詳しいライター諸氏に聞きました。
2022年に購入したベストアイテム、今回紹介するのはIT/AVコラムニスト・海上忍さんセレクトの「iPhone 15 Pro」です。音楽/オーディオネタ以外に、近年は記事のスクショで釣りネタをちょいちょいブッ込んでくるようになった海上さん。釣り上げた大物もキレイに撮れていますかね?
- 選んだ製品:Apple iPhone 15 Pro(ブラックチタニウム/256GB)
- 価格:174,800円
- 選んだ理由:外部インターフェイスがUSB-Cに変更されたため
- 満足度(5段階):★★★★★
このBIG WAVEには乗りましたよ、ええ
毎年秋に新モデルが投入されるiPhoneですが、今年は特別な意味がありました。そう、外部インターフェイスがLightningからUSB-Cに移行するという大変革があるからです。Lightningの採用は2012年発売のiPhone 5のときですから、外部インターフェイス変更は10年ぶりのこと、このBIG WAVEは乗るしかないですよね。
iPhoneにおいて外部インターフェイスが変わるということは、充電やデータ転送に用いるケーブルが変わること、接続できる周辺機器が変わることを意味しますが、DockからLightningのときとは状況がまったく違います。USB-Cはすでに多くの製品で採用されており、ケーブルをあえて買い替え/買い増しする必要はありません。
これまでLightning対策を必要としたデジタルガジェットも、iPhoneに直接つなげるようになりました。USBメモリはその好例で、Lightning端子が付いた(少し割高な)iPhone対応品はもう必要ありません。
USB-C化の最大のメリットはDP Alt Mode対応
個人的には、DP Alt Modeで外部ディスプレイに接続可能になったことがUSB-C化の最大のメリットだと感じています。これまでのiPhoneの場合、Lightning - Digital AVアダプタなどの変換コネクタを利用しHDMIで接続するか、Apple TVを用意してAirPlayを利用するかが外部ディスプレイへ映像出力するための選択肢でしたが、iPhone 15シリーズからは(DP Alt Mode対応の)USB-Cケーブル1本でOK、すっきり接続できるようになりました。今年導入したモバイルプロジェクター「BenQ GV31」は、DP Alt ModeとUSB PD給電に対応しているので、iPhoneとケーブル1本で接続&給電できて重宝しています。
「Pro」を選んだ理由は、やはり「カメラ」
スタンダードモデルのiPhone 15ではなくProを選んだ理由は、やはり「カメラ」です。Pro/Pro Maxは金属フレームにチタニウムを採用することによる軽量化...といってもスタンダードモデルのほうが軽いし、SoCは最新世代のA17 Pro(スタンダードモデルはA16 Bionic)ということもあるけれど、マクロ撮影対応で3倍の望遠カメラが付いていることを重視しました。5倍のPro Maxも魅力ですが、ふだん持ち歩くことを考えると自分にはProのサイズ感がベターです。
個人的にマクロ撮影は必要不可欠な機能です。取材先でちょっとしたブツ撮りをするとき、被写体の近くまで寄れるかどうかで撮影の構図は変わってきますし、イヤホンのように小さなデジタルガジェットは細部にこそ重要な情報が潜んでいますから、必ず持ち歩いてるスマートフォンでマクロ撮影できるというのは重要なのです。
趣味の釣りでも同じことが。夕マヅメの時間帯に絶妙なグラデーションの夕焼けを眼にしたとき、サッと出して撮影できるのはメイン利用のスマートフォンだからこそ。空のグラデーションも滑らかで精細感があり色あいも自然、ピクセルビニングの効果か日が落ちかけて暗く見える建物も暗部階調がしっかり描写されます。Super Retina Displayのピーク輝度(HDR)が最大1,600ニトと明るくなり、釣りあげた魚の光沢がより記憶に近いものとなったことも嬉しいポイントです。
正直、前モデルと比べてパッと見の変化は少ないし、おサイフに厳しい価格だけれど、日々使うものですからね...細かいことを気にせず高機能・高品質の恩恵を受けられることが、iPhone 15 Pro最大のアドバンテージなのでは、と実感しています。
【結論】
・USB-C化大歓迎、DP Alt Modeは便利この上なし
・「パッと撮るだけでしっかり写る」カメラ性能に満足