フリーアナウンサーの古舘伊知郎が22日、公式YouTubeチャンネル『古舘伊知郎チャンネル』を更新。かつてメインキャスターを務めた『報道ステーション』(テレビ朝日系)で、“こんばんは”を言わなかった理由を明かした。

『報道ステーション』では「変わらざるを得なかった」

古舘伊知郎

この日に公開された動画では、同番組のスポーツコメンテーターとして、12年間共演した松岡修造とトークを展開。2004年の放送当初について、松岡は、「今までにないラフ的なものを出そうというイメージがあって、すごく新鮮だった」としながらも、「古舘さんの構えが変わってきて、スーツになって、言葉も少なくなって……」と吐露。古舘は、「変わらざるを得なかった」と返しながら、「第一声で、“ニュースキャスターじゃなくてすみません。これから追い追い勉強していきます”って。この一発目で洗礼を受けましたから。猛攻撃。“プロじゃないなら観たくねーからやめろ”と。ものすごかったですよ。でも、いい経験しましたね」と打ち明けた。

続けて、「ネットの台頭もありましたし、ネット炎上の始まりでもあったし。『ニュースステーション』の時代から比べると、かなりがんじがらめ。だんだん自分流ができなくなった」と、当時を振り返った古舘。「“こんばんは”って、3年間言わなかったんですよ。スポーツ実況アナ上がりの原点を見せたくて」「“こんばんは”を言わないで、いきなり核心に入ろうと思った」と理由を明かしつつ、「3年間、非難ごうごう。“キャスターのくせにこんばんはも言わないのか”って。こっちも意地になってて。最後はプロデューサーが、“うるさいこと言ってないでしょ? こんばんはぐらい言ってくれませんか?”になりましたから」と内情を明かした。

古舘は、冒頭のあいさつについて、「必要悪」だとキッパリ語りながらも、「“こんばんは。9時54分になりました。『報道ステーション』です”ってやってほしいのに、“こちらご覧ください”って入ることが、唐突な入り中みたいで、生理的に嫌な人がいっぱいいる」と実感したそう。「僕も意地張ってたから。3年経って“こんばんは”って言ったとき、唇が震えましたよ」と振り返りながら、「自意識が嫌がってるんだけど、“こんばんは”って言うことで、少し楽にもなったんですね。自分の自意識なんかへでもねーやと思って。人のためにやってるんだから、“こんばんは”って言うべきだってなったときに、妥協もしたけど勉強にもなりました」と語っていた。

【編集部MEMO】
古舘伊知郎は、2020年3月にYouTubeチャンネル『古舘伊知郎チャンネル』を開設。様々なゲストを招き、話題のニュースやテーマを中心にトークを展開。チャンネル登録者数は33万人を超え、累計再生数は5,600万回を突破している。