iPhoneで撮影した初日の出の写真を、なんらかの方法でテレビに映したのですね? メモリカードにコピーしたものをテレビで表示したのか、AirPlay対応テレビにワイヤレスで送信したのか、方法によって写真の印象が異なることはありますが、原因はおそらく「HDR(High Dynamic Range)」の再現性にあります。
最近のiPhoneでは、静止画撮影するときに明るさを変えた複数の写真を合成し、広大なコントラスト(明暗差)を持つ1枚の写真に仕上げる「HDR合成」が行われます。モデルによっては、「設定」→「カメラ」→「スマートHDR」をオフにすると手動で無効化できますが、iPhone 15シリーズなどここ数年のモデルでは手動制御できません。すべての静止画は、基本的にHDRで撮影される仕様です。
HDRで撮影された写真は、iPhoneのディスプレイ性能を生かして表示することができます。Super Retina XDRディスプレイ搭載モデルで「設定」→「写真」→「フルHDRで表示」スイッチをオンにしていれば、きらめく太陽や金属の光沢など、HDRならではの輝き感のある写真を楽しめます。
しかし、その輝き感はSuper Retina XDRディスプレイに依存している部分があります。iPhone 15シリーズを例にすると、HDR表示時のピーク輝度(画面の一部の最大輝度)は1,600ニトと、標準的なテレビのピーク輝度を大きく超えます。ピーク輝度がより低いテレビで表示すると、たとえHDR対応をうたう製品であっても、輝きに不足を感じてしまうことでしょう。
iPhoneで見たときの輝き感をテレビでも再現したければ、ピーク輝度がSuper Retina XDRディスプレイに匹敵する製品を選ぶしかありません。テレビのパネル方式が液晶なのか有機ELかといった違いもありますが、HDR対応の有無とピーク輝度の高さは必ずチェックしましょう。