阪神・大竹耕太郎 (C) Kyodo News

 今オフソフトバンクから戦力外通告を受けた嘉弥真新也と増田珠がヤクルト、上林誠知が中日、森唯斗と九鬼隆平がDeNA、舟越秀虎が巨人、トレードで高橋礼と泉圭輔が巨人、現役ドラフトで水谷瞬が日本ハムへ来季からプレーすることが決まった。

 他球団へ移籍して活躍するケースが増えており、かつてソフトバンクでプレーしていた選手たちもそうだ。今季でいえば、現役ドラフトで阪神へ移籍した大竹耕太郎が当てはまる。大竹は17年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団し、1年目の途中に支配下選手登録されると同年3勝をマーク。翌19年には5勝を挙げ、先発ローテーション入りが期待されたが、20年が2勝、21年と22年は一軍で白星を手にすることができず、現役ドラフトで阪神へ移籍した。

 大竹は阪神1年目となった今季、移籍後初登板となった4月8日のヤクルト戦で6回・無失点に抑え移籍後初勝利を手にすると、5月27日の巨人戦にかけて無傷の6連勝。5月終了時点の防御率は驚異の0.40。6月10日の日本ハム戦で移籍後初黒星を喫したが、その後も白星を積み重ねていき、最終的にはチームトップの12勝(2敗)。防御率は規定投球回に届かなかったものの2.26を記録し、阪神の18年ぶりリーグ優勝の立役者となった。

 ソフトバンクへFA移籍した近藤健介の人的補償選手として日本ハムに加入した田中正義も飛躍の1年となった。16年ドラフト1位でソフトバンクに入団し、21年にリリーフで18試合に登板して防御率2.16をマークしたが、故障に泣いたシーズンが多く、昨季もわずか5試合の登板にとどまった。

 日本ハムに移籍した今季、開幕一軍を掴むと、3・4月は11試合・10回を投げ、6ホールド、2セーブ、防御率2.70と好スタートを切る。5月に入ってから本格的に抑えに転向し、7日の楽天戦ではプロ初勝利、同月は6セーブを挙げた。前半戦を31試合、2勝2敗7ホールド、14セーブ、防御率2.40の成績で、自身初となるオールスターゲームにも出場。後半戦に打ち込まれる試合もあったが、最終的にはシーズン自己最多の47試合、2勝3敗8ホールド、25セーブ、防御率3.50と充実の1年となった。

 その他、過去にソフトバンクでプレーしていた選手をみると、加治屋蓮(阪神)、小澤怜史(ヤクルト)、茶谷健太(ロッテ)なども他球団へ移籍し活躍している。選手層の厚いソフトバンクでは悔しい結果になったが、今オフ他球団に活躍の場を移した選手たちも、新天地での飛躍に期待したい。