ソフトバンクは12月27日、固定電話サービス「おとくライン」「おとく光電話」において、11月18日・20日に発生した通信障害に対し、総務省から書面による行政指導を受けたことを報告した。

本件については、12月18日にソフトバンクから総務省に報告書が提出されている。その要旨をまとめると、個人向けの「おとくライン」と法人向けの「おとくライン」「おとく光電話」において、個人約8万1,000回線、法人約13万3,000社に影響があったという。

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通信障害が起きていた期間は、11月18日13時46分~翌19日3時53分(14時間7分)と11月20日8時30分~12時1分(3時間31分)。緊急通話も含む音声通話が利用できない状況または利用しづらい状況となっていた。

影響範囲は東日本エリア(北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県)と西日本エリア(富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)に二分されるが、西日本エリアに関しては18日13時46分~14時20分の34分間の影響に留まった。

11月18日の通信障害の発端は東日本の加入者情報データベースの故障。この対処のために西日本の加入者情報データベースに切り替えたところ、事前検証が不十分だったことから東日本の交換機のソフトウェアに不具合が生じて処理性能の低下を招き、発着信がしづらい状況となった。交換機の再起動と通信制御を行って復旧した後、故障の疑いがある機器の部品交換を実施した。

11月20日に通信障害が再発した理由は、18日の件の措置を行う過程で本来の故障箇所とは別の箇所の部品を交換していたこと。このため東日本の加入者情報データベースで故障が再発し、西日本の加入者情報データベースに切り替えたところ、再び東日本の交換機のソフトウェアに不具合が生じて処理性能が低下する事態となった。本来交換すべきであった部品の交換、東日本の交換機の通信の制御、東日本の加入者情報データベースへの切り戻しを行い復旧した。

再発防止策としては、事前動作検証のガイドラインを見直したほか、交換機のソフトウェアの不具合を修正するパッチを適用し、有事の際に速やかに東西間で切り替え可能な体制を再構築した。また、これまで東西間の冗長構成で運用してきたものを、東西それぞれでさらに二重化した。故障箇所の交換手順についても、機器の故障の疑いがある箇所を全て交換する手順に改めた。