巨人・高梨 (C) Kyodo News

 巨人の高梨雄平は今季チームトップの55試合に登板した。

 今季は守護神・大勢に繋ぐ勝ちパターンがなかなか固定されなかったチーム状況の中で、高梨は勝ち試合、ビハインド、ロングリリーフ、左のワンポイント、さまざまな場面で腕を振った。

 シーズン序盤は不安定な投球が続いたが、6月10日のソフトバンク戦から7月22日のDeNA戦にかけて16試合連続無失点。連続無失点前の6月9日時点で5.19だった防御率も、2.87まで良化。7月5日の中日戦、7月17日のヤクルト戦で2イニング投げた。8月以降再び不安定な投球が目立ったものの、55登板、23ホールドはチームトップ。

 大勢がシーズン途中離脱し、中川皓太も開幕に間に合わなかったことを考えると、不安定な時期があったとはいえ、実績のある高梨がブルペンにいたのは大きかった。

◆ 右打者の被打率.179

 今季は左打者だけでなく、右打者もしっかり封じ、楽天からトレードで加入した20年以来となる右打者の被打率が1割台と抑え込んだ。

 その一方で今季はこれまで得意にしていた左打者に対して、被打率.220(100-22)と、移籍後初めて左打者の被打率が2割を超えた。近本光司、中野拓夢、佐藤輝明、木浪聖也など左打者が多い阪神戦の被打率は.348と打たれた。

【巨人移籍後の被打率】

▼2020年

左打者:.129(62-8)

右打者:.153(59-8)

▼2021年

左打者:.195(87-17)

右打者:.304(56-17)

▼2022年

左打者:.167(96-16)

右打者:.232(69-16)

▼2023年

左打者:.220(100-22)

右打者:.179(56-10)

 今オフはトレードで近藤大亮、高橋礼、泉圭輔をトレードで獲得し、現役ドラフトで馬場皐輔、新外国人として今季まで阪神でプレーしていたカイル・ケラーを補強するなど、リリーフ陣を積極的に獲得しているが、いずれも右投手。来季も貴重な左のリリーフとして、中川とともにジャイアンツのブルペンを支えていきたい。