ルーキーながら126試合に出場し、11月に行われた「アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」ではSAMURAI JAPANのメンバーとしても活躍した巨人の門脇誠選手。そんな門脇選手が12月25日、母校・創価高校の硬式野球部専用グラウンド(東京都東大和市)で、小中学生の子ども達と一緒に野球を楽しんだ。

■プロの打球に羨望の眼差し

最初に行われたのはショート、セカンドに分かれての二箇所ノック。子ども達に混じって門脇選手ももちろん参加。子ども達のプレーを見ながら「おー!ナイススローだ」「今の良かったよ」など声をかけ、自身も自慢の守備を披露。さすがのグラブ捌きを見た子ども達からは「やっば!」「エグー!」と感嘆の声が挙がりました。際どいボールに追いつけかなかった場面ではノッカーや子どもからヤジが飛び、これには「まだ体が温まっていないからー!」と笑顔で釈明していました。

バッティングでは自らバッティングピッチャーも務め、ここでも「ナイスバッティング!」「おー!良い打球!」など声をかけ、低学年の子には「ボールは振らなくて良いからね」と優しく声をかける場面も見られました。

最後は本人もゲージに入り、プロのバッティングを披露。打球が高く舞い上がる度に子ども達から大歓声が上がり、羨望の眼差しでスタンドを越えていく打球を見つめていました。

イベントの最後は「門脇サンタ」から子ども達にクリスマスプレゼントが配られ、全員で記念撮影。イベント終了後には、小学生の子どもからの守備に関する質問、相談にも身振り手振りで丁寧に答えていました。

イベント終了後、門脇選手にお話を聞きました。

■子ども達が思いっきりできる環境作りを

——大学2年の時から始めて今回で4回目となるイベントですが、プロ野球選手になって初めて行った、今の感想は?

昨年は(ドラフト指名されて)プロ野球選手になることが決まって周りの見る目も違ってきて、今年はさらに巨人で1年やって自分のことを知ってもらったなかで、こうやって子ども達と一緒に野球をすることができました。自分自身の成長も感じますし、(毎年参加してくれている)子ども達の成長も見れますし、自分の子どもの頃を思い出す「原点」というか、自分もこうだったなと振り返れる時間でもあるので、すごく良い時間になったなと思います。

——プロ野球選手になったいま、改めて小学生時代を振り返ってみて、結果的にあれが良かったなと思う練習や習慣などはありますか?

毎日父にノックを打ってもらったり、とにかく毎日野球をやっていました。でもそれはやらされていたのではなくて、自分がやりたかったから。結果を出すためにやるという思いもありましたけど、それよりもとにかく野球が好きだったからやっていましたね。

技術的なことをいえば、ひたすら毎日守備練習をやっていたことが(現在の)守備力に繋がったと思います。

——高校1年夏から大学4年間を通じて7年間フルイニング出場されていましたが、小中学生時代に何か特別なことはされていたのでしょうか?

中学校時代は2つのチームに所属して、最後はどこにも所属せずに毎日バッティングゲージで打ったり、一人で練習をしていました。実戦がないなかで、自分でどう感じて、どう打つのかということを毎日考えながらやっていましたし、その一球に対して、どれだけ捉えられるかということを追求していました。中学時代は特にそういうことをやっていました。あとは、当時は奈良県に住んでいましたけど山の中をよく走ったりしていて、多少は下半身が鍛えられたんじゃないかなと思います。

——少年野球人口が減っていると言われていますが、小学生を指導する方達に向けて、何かメッセージがあればお願いいたします。

子どもを型にはめない指導が一番いいなと思っています。体の動きなども型にはめてしまうと高校、大学に進んだときに一つの型しか覚えていなかったり、プレーの引き出しが少なかったりするので、色んなことをやらせて色んな動きをさせてあげてほしいなと思います。そうやって学年が上がっていくとそれが「技術」にもなると思います。

「これはこう」という型にはめずに、子ども達が思いっきりできるような環境作りをしてあげて欲しいなと思います。(取材・写真:永松欣也)