新日本プロレスのビッグマッチである1.4東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム」がいよいよ間近に迫ってきた。ジュニアの至宝であるIWGPジュニアヘビー級チャンピオンとしてエル・デスペラードとのシングルマッチが決定している高橋ヒロム。彼の2023年の動きは凄まじいものがあった。1年を通し守り抜いたベルト。そして垣根なく他団体にも出向き好勝負を繰り広げ、熱望していた「ジュニア夢の祭典 ~ALL STAR Jr FESTIVAL 2023~」も開催した。2023年は高橋ヒロムの年と言っても過言ではない活躍ぶりは、プロレス界においてジュニアの地位を格段とあげたことだろう。今回はそんな高橋ヒロムにインタビューを敢行。音楽の話を軸に高橋ヒロムという男の素顔に迫る。
―Rolling Stone Japanはカルチャー誌ということで、今回は音楽を切り口としてインタビューを行おうと考えていまして。ヒロムさんといえば、マキシマム ザ ホルモンのイメージが強く、他媒体でも愛を語られていますよね。
ただ、マキシマム ザ ホルモン好きのイメージが強くなりすぎてしまっているんですが、実は、CHAGE and ASKAもホルモンと同じくらい好きで。本来は、CHAGE and ASKAとマキシマム ザ ホルモンが二大巨頭なんですよ。
―CHAGE and ASKAですか!? それは知らなかったです。
ホルモンの話をするときは必ずセットでチャゲアスのことも話しているんですけど、確かに取り上げていただいたことはあまりないかもしれません。
―それでは、せっかくなので今回はCHAGE and ASKA愛を語っていただければ! まず、そもそもヒロムさんが音楽を意識的に聴くようになったのはいつ頃なんですか?
記憶があるのは、藤井隆さんの「ナンダカンダ」(2000年)。初めて買ったCDがそれなんです。多分小学校5年生〜6年生ごろだったかな?
―「ナンダカンダ」はどのようなところに惹かれたんですか?
紅白歌合戦で初めて観たんですけど、当時おそらく藤井隆さんがトップバッターを務められていて。曲中に開脚するパフォーマンスをされて、そのまま立ち上がるはずが立ち上がれず転んでしまうというシーンがあって。のちにそれがパフォーマンスの一部だということを知り、すごいなと思ったんです。マジで失敗したように見せるお笑いというか。
―なるほど。そのパフォーマンスに惹かれた。
真相は分かりませんよ。本当に失敗しただけかもしれない。でも、MVでも失敗しているから、あのパフォーマンスが正解なんですよ、きっと。
―そこからはどんな音楽を?
モーニング娘。も好きでしたね。トレーディングカードをガチャガチャで買っているくらいでしたから(笑)。
―紅白やモー娘。ということはテレビからの影響が大きいですか?
完全にテレビでしたね。それこそプロレスもテレビで観て好きなりましたから。
―ちなみに当時のワールドプロレスリングは何時からでしたか?
もう深夜でした。ただ、2002年のG1 CLIMAX決勝が日曜日の夕方にスペシャルか何かでやっていて。それがプロレスのキッカケなんです。
―プロレスや音楽など好きなものをテレビからキャッチすることが多かったということですね。
そうですね。それで、中1のときにハモネプを観て。当時は、ネプチューンさんの『力の限りゴーゴゴー!!』という番組の1企画だったと思うんですけど、その中でNorthというグループがCHAGE and ASKAの「SAY YES」(1991年)を歌っていたんです。そこで僕はCHAGE and ASKAを初めて知るんです。
―おお、ここでCHAGE and ASKAと繋がるんですね。
だから、自分はプロレスに出会ったのとチャゲアスに出会ったのは同じ年なんです。2002年、中1のときです。
―そこで聴いて衝撃を受けた。
もう、かなりの衝撃です! ハモネプなので、チャゲアスご本人が歌ってたわけじゃないですよ。多分当時高校生くらいか、それより上くらいのメンバーが歌っていたのを聴いて、「すごくいい曲。誰が歌っているんだろう」と調べたらCHAGE and ASKAだった。そこからすぐ近所のブックオフに走るわけです。
―そこでアルバムを購入した?
いや、そこではアルバムが見つからなかったんですけど、唯一見つかったのが、VHSの作品集。『TREE』(1994年)というPV集でした。だから、自分が初めて聴いた「SEY YES」はCD音源ではなく、映像なんです(笑)。
―そこから何度も観たわけですね。
もう感動しました。今だったらPVでは歌っていないことは分かるけど、当時の自分にはそんな知識がなかったから、歩きながらなのにめっちゃ歌が上手いって思ってました(笑)。
ファンクラブの「会員証」
―「SAY YES」はラブソングですけど、どんなところに惹かれたんですか?
自分は、多分曲調や耳心地の良さから好きになるタイプなんです。そのあとに歌詞を見る。だから当時は耳心地だけですよ。歌詞をじっくり見る年齢でもなかったので、本当に耳で聴いているだけだったと思います。あとは、お二人の声ですね。ASKAさんとCHAGEさんのハモリが素晴らしくシンクロするじゃないですか。それが理由でハマったんだと思います。そこから別のブックオフでベスト盤を買い、ファンクラブに入りたいなって思ったんです。
―すごいスピード感ですね。
これはもう入らないとダメだと。じゃあ、どうやったらファンクラブに入れるんだろうと思ったら、CDのいちばん最後に書いてあるインフォメーションに「電話をしてください」と書いてあって。電話をして、流れてくる住所に書類を送って、ファンクラブに入会しました。
―でも、中学生で年会費を払うって大変ではなかったですか?
月のお小遣いを3000円くらいもらっていましたし、お年玉とかも使いました。でも、年間で5000円したかしないくらいだったので、そこまでは。
―僕も小学生の頃、サザンのファンクラブに入ったことがありましたけど、更新できなくて。でもその熱量はすごく分かります。
それは悲しいですね。なんかファンクラブって表現が難しいんですけど、究極何もなくても「あなたのファンです」という証明書があるだけで満足しませんか? 僕、会員証のシステムがすごく好きなんです。いまも個人のファンクラブには入会しているんですけど、会員証が貰えるんです。それが嬉しくて。いまは、デジタルになっているものが多いと思うけど、スマホに入っている会員証なんて無意味ですから。形としてカードで会員番号何番と書いてあることに意味があるんです。
―新日本プロレスも会員証のシステムですか?
新日本もカードの会員証があります。ただ、新日本のファンクラブには全く興味がなかったですけど(笑)。だって、何でいずれ入門する団体のファンクラブに入らないといけないんだと思っていたので。だからサイン会とかも一切行かなかったんですよ。なぜ、これから戦う選手たちにサインを貰わないといけないんだと。
―中学当時から新日本プロレスに入ることを決めていた。
そうです。新日本プロレスに入るから、新日本プロレスの選手からは絶対貰わない。それ以外の選手とは写真を撮ってましたけど(笑)。
―ちなみにどなたとお写真を?
自分は、基本的にデスマッチを観に行っていたので、大日本プロレスの選手と写真を撮ってもらっていました。人生で初めて写真を撮った選手が葛西(純)さんです。
―そうだったんですね。ここでデスペラード選手と葛西さんを巡るストーリーが垣間見えてきました。
だからデスマッチをしていて羨ましいなと思うんですけど、自分はもしデスマッチをするのであれば、生涯に一度と決めているので。
―相手はやはり葛西さんがいいですか?
いやあ、分からないですね。そのときに上手いことストーリーが葛西さんと重なれば、それは葛西さんですし、違う人とストーリーがシンクロしていいものになるのであれば、その人とやりたいですし、誰とやりたいというのはないです。デスマッチを絶対にやらないといけないというものでもない。
―生涯一度きりの相手がデスペラード選手だと胸熱だなとファン目線では思ってしまいますが……。
それは、デスマッチじゃなくてもいいかな(笑)。
Photo by Mitsuru Nishimura
チャゲアスのライブから感じたこと
―確かに(笑)。話が脱線してしまいましたが、「SEY YES」以外の曲もどんどん好きになっていくわけですよね?
PV集の中でいまだに自分がいちばん好きな曲で「BIG TREE」という曲があるんですけど、ちょっと聴きますか?
―壮大な曲ですね。
そうなんですよ! この曲をオリンピックで使わないかなって思ってたくらい壮大なんです。ライブもめちゃくちゃいいんですよ。これがPV集の最後の曲。「SAY YES」で始まって、「BIG TREE」で終わる。
―ライブにも行かれていたんですね。
ライブも毎年ファンクラブで行ってましたね。年1は間違いなく行ってましたし、年2回とかは行ってたと思います。
―いざ、ライブでご覧になっていかがでしたか?
衝撃でした。生でCD音源を超えるってすごいことなんだなと思いました。ライブって20曲くらい歌唱すると思うんですが、自分はマイクパフォーマンスで1回叫ぶだけで大抵、喉が潰れるんですよ。
―ヒロムさんのマイクパフォーマンスっていきなり全力でいきますよね。
でも数分ですよ? 長くて3〜4分、1曲分で喉が潰れるのに、なんで20曲もやって後半になるにつれて調子が良くなっていくんだろうって。リスペクトがあるのであの舞台に立つ人に対して生半可な言葉は使えないですけど、本当にすごいんだなと思いましたね。
―プロレスラーとしてチャゲアスから吸収してる部分はありますか?
やっぱりMCとかは聴いちゃいますよね。どんなことを喋るんだろうと当時からよく聴いていて。結構、ASKAさんってギャグとかを言うんですよ。語りかける口調になるときはASKAさんって下を向くことが多いんですけど、ふとした瞬間に上を見てひと言発する、それがカッコよくて何度か意識したことはあります。「いま、俺ちょっとASKAさんだな」「いま、俺CHAGEさんの笑い方したな」とか。結構ありますよ、ただ絶対分からないです、個人の自己満なので(笑)。
―そのチャゲアス愛は、本人に伝わってないんですかね?
実は、ASKAさんにはお会いしたことがあって。プロレスを観に来て下さったときに、顔が引き攣ったまま一緒にお写真を撮っていただいたことがあります。
―それってどうやって繋がって?
ASKAさんと親交のあるプロレスラーが別のユニットにいて、その選手の試合を観に来ていて、スタッフさんが「ヒロムさんもチャゲアス好きですよね」と紹介してくれたんです。そのときに「首の骨を折った子だよね?」と知ってくださっていて。ASKAさんも幅広く格闘技がお好きで観てくださっていたみたいなので、そのときに首を折って良かったって思いましたもん(笑)。
もし復活ライブがあるとしたら…
―そこまで愛が深いと、活動休止のときのショックは大きかったですよね?
めちゃくちゃショックを受けたと同時に、解散ではなく活動休止でよかったなと思いました。チャゲアスの歴史の中でも1〜2度休止はあったと思うんです、チャゲアスで活動はせずに個々で活動したりとか。それだったらその期間になっただけだよなというくらいに思っていたので。
―そこからずっと再開を願っているわけですもんね。
今も解散とは言ってないし、ASKAさんの脱退ということになってますけど、また入る可能性もあるので。そこは何も思ってないし、自分はいずれまた交わる日が来るなと思っているので、絶対に。これは待つターンなんじゃないかなと。自分はホルモンとチャゲアスは妄想セットリストを決めているんです。どこに出すわけでもないのに自分の中でセトリを作っているんですよ(笑)。チャゲアス復活の妄想セトリはこれかな〜って。
―ちなみに、もし復活ライブがあるとしたら、何からスタートするんですか?
「僕はこの瞳で嘘をつく」(1991年)。これはライブで曲の途中、CHAGEさんとASKAさんが肩を組みながら歌う箇所があるんですよ。だからこれが一発目だろって! 考えついたときに、この曲以上に一発目にふさわしい曲はないなと。
―実現したらアツいですね。この記事を読んでもらいたいですね!
読んでもらいたいです! ぜひ。
―ちなみに何で終わるんですか?
最後は、「BIG TREE」で終わります(笑)。
―復活ライブがあるとするならば、どこで観たいですか?
難しいですね。お二人の地元が福岡なので、福岡で観たいなと。自分は小さい箱で観るのが好きなんですけど、間違いなく人は入るのでこういうときくらいは大きい箱でいいんじゃないかなと思いますね。だから福岡 PayPayドームかな。観られない人がいると可哀想なので。
=取材後に送られてきた、高橋ヒロム作の架空セットリスト=
CHAGE and ASKA
場所:福岡PayPayドーム
1.僕はこの瞳で嘘をつく
2.BROTHER
3.もうすぐだ
4.好きになる
5.no doubt
6.この愛のために
7.ひとり咲き
8.SAY YES
9.the corner
10.not at all
11.僕はMUSIC
12.36度線-1995夏-
13.Catch &Release
14.Knock
15.青春の鼓動
16. 迷宮のReplicant
17.Vision
18.太陽と埃の中で
19.WALK
20.NO PAIN NO GAIN
-アンコール-
21.メドレー(モーニングムーン、マリオネット、南十字星、もうすぐ僕らはふたつの時代を超える恋になる、On Your Mark)
22.YAH YAH YAH
23.Turning Point
24.声を聞かせて
25.BIG TREE
―長期欠場中や海外遠征時のときにもチャゲアスやホルモンを聴かれていましたか?
もちろん。ずっと聴いていますね。今日の移動中のタクシーの中でも聴いてますし、チャゲアスとホルモンの両方が入っているプレイリストがあって。めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど「チャゲアス ザ ホルモン」って名前なんですよ(笑)。それをシャッフルで流すという。
―完全にヒロムさんの中で二大巨頭なんですね。
好きなアーティストさんは他にもいますけど、この2組ほどハマったアーティストがいないんですよ。全アーティストさんをリスペクトしていますし、フェスとかに行くのも好きなんですけど、この2組と同じくらい聴くアーティストさんはいないです。意外と一途なのかもしれない。
いずれ絶対に引き寄せ合う
―プロレスもそうですもんね。初志貫徹というか。
なんなんですかね? めんどくさがり屋でもあるんですよ、基本。だから浮気するのがめんどくさい、他に行く労力がめんどくさい。また一から何かを始めるのが好きじゃないんだと思います。
―食べ物もそうですか?
寿司・焼肉・ラーメン・プリンは子供のころから変わらないです。オカルトも昔から好きだし漫画もゲームも昔からなので、10代くらいにハマったものが全てになっているのかなと。エンターテインメントとして10代の頃に出会ったもので全て出来上がっちゃったんだなと。
―ヒロムさんのイメージって凱旋帰国をしたときからすぐ華があったというか。パフォーマーとしての華を持っている人と持っていない人で差がすごくあるじゃないですか。
多分自信だと思います。自分のことを好きになれるか、自分のスタイル、自分のプロレスを好きになれるかどうか。その中でいかにナルシストになるのか、うまいこと表に出しすぎず、みたいな。自分をどれだけ好きになれるかというのは大事になってくるかなと思いますね。
―ということは、ヒロム選手は最初から自分のプロレスに自信があったから、ああいうオーラを纏えていた。
自分がこのスタイルでいいんだというか、このスタイルがいいなと思ったのは、メキシコでドラゴン・リーに出会ってからです。そこから自分が変わったと思っているので。そのときに自分の目指す方向性というか、完全に定まった。
―=ライバルの存在は大切ということですよね?
めちゃくちゃ大事です。切磋琢磨することがめちゃくちゃ大事だと思います。
―こじつけるわけではないけど、CHAGEさんとASKAさんにもそうあってほしい。
絶対にあります。だからこそいずれ混じり合うんです。絶対に引き寄せ合う。「1回くらいならやってもいいか」ということでもいい。ファンとしてはそれでいいんです。ただこのまま終わらないでほしい。いいんです、MCで喧嘩していてもいい、ただ曲になったらがっちりと合うみたいな。お互いが嫌いであろうが、好きであろうが、どっちでもいいんです、もうお二人はその次元ではないと思うので。
―そういう意味では、ある種運命的なチャゲアスの2人のような緊張関係も含めて、デスペラード選手ともヒロムさんは独特な思いがあると思うんですけど。
やっぱり新日本プロレスでいちばん俺のことを知っているのはデスペラードなんじゃないかなと思いますしね。それくらい長い期間一緒にいたなとは思っているので。
―彼とのシングルマッチをすると特別な空気になりますか?
試合で、この人なら負けていいとかは絶対ないし、勝たないといけないんですけど、その中でもいちばん負けたくないなとすごく思います。
―それこそいつか、このカードがドームのメインでという思いもありますよね?
思ってますね。俺とデスペラードならドームのメインは行けるでしょと。あとはタイミングだけなんじゃないかなと思っています。会社やプロレス界全体を含めてジュニアの価値をもっと大切にしたほうがいいよと思います。これは毎年言ってますけど。
―その価値を体を張って今年は特に証明しましたもんね。ジュニア夢の祭典もヒロムさんが動いてなければ実現していないだろうし。
オールスターはできてよかったと思います。あれが始まりだった気がしますね。
Photo by Mitsuru Nishimura
マキシマムザ亮君へのお願い
―ヒロムさんが孤軍奮闘してもなかなか崩せない壁もあると思いますけど、今年はデスペラード選手がまた別のベクトルで動いていて。
もちろん、1人では無理ですけど、逆に言えば、全員が本気出したら勝てるんじゃないかなと思ってるんですよ。ヘビーというものを破れるなと思ってる。あとはやっぱり自己プロデュースに繋がってくるんですよね。その自己プロデュースで参考になったのがホルモン、そこに繋がってくるんです。
―間違いないですね。
あの売り出し方。CDが売れない時代にCDが売れるバンドであり、毎回新鮮でファンを飽きさせない。ただホルモンはファンクラブ制度を好まないので、そこもまたチャゲアスと違っていいですよね。
―ホルモンとは、八王子会で繋がりもありますよね。
いちばん最初に会ったのはダイスケはんで、ちょうど自分が首の骨を折った頃にダイスケはんも首のヘルニアを患っていて、そのときに知人を介して知り合いました。そこから試合も観にきてくださったりとか。
―ヒロムさんは好きになったものとは繋がる力を持っていますよね。だからチャゲアスの復活も必ず叶いますよ。
ありがたいですね。ただ、まだCHAGEさんとはお会いしたことがないのでこれはいつの日かと思ってはいます。
―ヒロムさんが言葉を発すれば、これも実現すると思います。
ただ烏滸がましすぎるんですよ。例えば、SNSとかで簡単に言いたくない。「チャゲアス大好き」とかなるべく言いたくないんです。だからインタビューはありがたくてガンガン発する場! だからプロレスの話はゼロでいいんですよ(笑)。
―最後に、ヒロムさんの入場曲について少しお聞きしたんですけど、現在の曲はラウド調でホルモンイズムを感じるんですが、いつかはホルモン、またはチャゲアスに作ってほしいという思いもあったりするんですか?
じゃあ、この場を借りて、いいですかね。これは本当にいつかの話ですけど、いつの日かマキシマムザ亮君に作っていただきたいと思っているんです。何度かお会いして、お願いしようと思いましたけど、言えず。「無理です」という答えを聞くのが怖かったし、失礼じゃないですかプロの方に曲を作ってというのは。例えるなら自分のファンに「TIME BOMBをかけてください」って言われている感じというか。そう思ったら失礼だなって。
―では、この場を借りて例えばですけど「〇〇を実現したらお願いする」と公言するのはいかがですか?
いや、プロレスラーにとってテーマ曲を変えるって大ごとなんですよ。全てを変えることに等しい。だから、自分が何か実現するというより、マキシマムザ亮君が作ってくださるタイミングがタイミングになると思います。それでいつか、東京ドームで生演奏の中入場する機会なんかがあったら、もう終わるなって。引退だなって(笑)。
―いやいや、ダメです! でもホルモンを東京ドームに誘えるかもしれない。
いやいや、ドームに関しては彼らはやらないだけですから。やろうと思ったら埋められるんですから。それも含めてホルモンはカッコいいんです。
―だからこそヒロムさんのためだけに演奏するドームは特別ですね。
それはもう特別ですよ! それがもし後楽園じゃないとやらないと言われたらそれでいいです。もうどこでもいいんです。ただそういう夢物語も初めて語りましたけど、自分の中にはあるので。
―ヒロムさんは夢を全て叶えていると思いますから。
広い夢と書いて広夢なのでね。夢は口に出していかないとなって。ただ簡単な場所では発言したくない。だから自分は覚悟を決めて、今日言わせていただきました。
Edit by Shunsuke Sasatani
Photo by Mitsuru Nishimura
<INFORMATION>
『ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18』
https://wrestlekingdom.njpw.co.jp/
日時:2024年1月4日(木) 14:45開場 16:30開始
会場:東京ドーム
毎年恒例”イッテンヨン”がまもなく開催! 高橋ヒロムは、IWGPジュニアヘビー級チャンピオンとして、挑戦者のエル・デスペラードとタイトルマッチを行う。