日本ハム時代のコディ・ポンセ (C)Kyodo News

 楽天は26日、今季まで日本ハムでプレーしていたコディ・ポンセ投手の獲得を発表した。

 ポンセは球団を通じて「日本でのジャーニーを続けるチャンスをイーグルスに与えていただき、とても感謝していますし、興奮しています。少しでもたくさん投げて、チームの勝利に貢献できるよう頑張ります。対戦相手として感じていたイーグルスファンの熱い声援をバックに投げられることはとても心強いですし、一緒に闘ってみんなで日本シリーズに行きましょう。仙台の街で僕を見かけたら気軽に声をかけてくれたらハッピーです。アリガトゴザイマス」とコメントした。

◆ 先発防御率はリーグワースト

 楽天はチーム先発防御率リーグワーストの「3.66」で、規定投球回に到達した投手は来季から抑えに転向する則本昂大しかいなかった。イニングを稼げる則本が抑えに回り、先発も則本に次いで最もイニングを投げたのが35歳の田中将大の139回1/3、39歳の岸孝之の120回1/3とベテラン投手の名前が続く。チーム最多勝も岸の9勝がチームトップ。

 現状、計算のできる先発は岸と田中のベテラン2人。岸はチームトップの9勝を挙げているが、ここ2年は規定投球回に到達しておらず、田中も今季は7勝、防御率4.91と来季、全盛期のようなピッチングができるかと言われたらクエスチョンマークがつく。

 そんな中で、ポンセの獲得。日本ハム時代の2年間シーズン通して投げた実績がないとはいえ、1年目の昨季は8月27日のソフトバンク戦でノーヒットノーランを達成するなど、14試合に先発して3勝(5敗)、防御率3.35。今季は4勝(5敗)、防御率も3.66だった。シーズン通して投げられれば、かなり期待が持てる。

 岸、田中、ポンセが先発ローテーションで投げながら、若手が先発ローテーションの一角に食い込むことができればさらに良い。早川隆久、荘司康誠のかつての“ドラ1コンビ”は、2桁勝利を挙げるくらいの活躍に期待したいところ。

 今季6勝の早川は、5月までは素晴らしかった。5月終了時点で、7試合・45回1/3を投げて、2勝3敗と黒星先行も、防御率は1.59。7試合中6試合でクオリティ・スタート(6回以上3自責点以内)をクリアした。6月以降は苦しい投球が続いたが、シーズン終了後に参加したオーストラリアのウインターリーグでは4試合・27イニングを投げて、4勝0敗、防御率1.00と完璧に抑え込んだ。

 荘司はルーキーイヤーの今季、19試合・109回2/3を投げて、5勝3敗、防御率3.36。プロ初勝利まで9試合を要したが、7月5日のオリックス戦でプロ初勝利を挙げると、この勝利から1度も負けることなく5連勝でフィニッシュ。オールスター明けは先発ローテーションに入り、四死球の多さが気になるところではあるが、試合をある程度作った。

 早川、荘司だけでなく、若手の成長、さらには21年に10勝を挙げた瀧中瞭太の復活なども必要だ。やや手薄な先発陣ではあるが、その心配は来季が終わった頃に杞憂に終わっているだろうかーー。