第37期竜王戦(主催:読売新聞社)はランキング戦が進行中。12月25日(月)には6組1回戦の小山怜央四段―西山朋佳女流四冠戦が東京・将棋会館で行われました。対局の結果、三間飛車対居飛車の熱戦を162手で制した小山四段が2回戦進出を決めました。
3年ぶりの対戦
両者の対戦は2021年3月に指された本ランキング戦以来となるもの。その際はアマチュア時代の小山四段が対三間飛車の乱戦を制していました。振り駒が行われた本局は先手・西山女流四冠のノーマル三間飛車に後手・小山四段が天守閣美濃で対抗する構図に進みます。
先手が銀冠への組み換えを見せたところで小山四段が動きます。5筋の歩を伸ばしたのは銀ばさみを目指すことで先手の仕掛けを誘ったもので、勢い盤上は激しい戦いへ。左辺でのやり取りが一段落したところでペースをつかんだのは先手の西山女流四冠でした。
満身創痍の大熱戦
2筋の歩をぶつけて天守閣美濃の玉頭に手をつけたのが囲い崩しの急所。振り飛車指しやすい時間帯が続きますが、後手の小山四段も決め手を与えません。双方の玉周辺での押し引きが続くなか、入玉含みの粘りが奏功して今度は小山四段に攻めの番が回ってきました。
自玉の安全を確保した小山四段は小駒を駆使して寄せを開始します。終局時刻は21時34分、最後は攻防ともに見込みなしと認めた西山女流四冠が投了。西山女流四冠は感想戦で「(終盤について)こんなはずではと思いながら指していた」と悔しさをにじませました。
大熱戦を制した小山四段は所司和晴七段の待つ2回戦にコマを進めています。
水留 啓(将棋情報局)