スズキは2023年11月9日、軽スーパーハイトワゴンのスペーシアを約6年ぶりにフルモデルチェンジ。11月22日から発売した。インテリアでは先代は助手席の前にスーツケースをモチーフとしたインパネアッパーボックスを採用していた点がポイントだったが、新型ではリッド(蓋)がなくなり、ビッグオープントレーに変更された。その理由について、四輪デザイン部インテリアグループの村松 彩氏にお話を伺った。
「先代はスーツケースがデザインのモチーフだったので、インテリアにもパカっと開けて楽しく使うというところがそのままキャラクターとして強く出ていました。スーツケースのような形状のインパネアッパーボックスもそのような背景から生まれました。
今回、新型をどんなスペーシアにするかを議論するために、まだ新型車の陰も形もない時に、商品企画とデザインの担当者で先代スペーシアに乗って実際に遠出をしてみたんです。そのときに朝から晩までクルマの中にいて、お昼ご飯を食べようということになりました。どこで食べる?ということになり、インパネアッパーボックスのリッドの上におにぎりを置いたら落ちる…みたいな。いろいろ自分たちで体験した結果、やはり、インパネはリッド付きの収納ではなく、大きなトレーのほうが使いやすいのではないか。素直に自分たちが欲しいもの、もっと便利になる方向は何かということを考えて新型スペーシアではビッグオープントレーになりました」
実体験で使い勝手を検証した結果、先代の室内の特徴点でもあった収納を容赦なく廃止したのであった。
〈文=ドライバーWeb編集部〉