東京商工リサーチは12月25日、「11月の『後継者難』倒産」に関する調査結果を発表した。本調査は「人手不足」関連倒産(後継者難・求⼈難・従業員退職・⼈件費高騰)から、2023年11月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)を抽出し、分析している。

調査結果は以下の通り。まず2023年11月の「後継者難」倒産は39件(前年同月比14.7%増)で、11月では2年ぶりに前年同月を上回った。2023年1~11月累計は397件(前年同期390件)で、過去最多を記録した前年ペースを上回って推移している。

また産業別では、10産業のうち、増加が4産業、減少と同数が各3産業。農・林・漁・鉱業が4件(前年同月比300.0%増)で2年連続、建設業が8件(同100.0%増)で3年ぶり、卸売業7件(同600.0%増)と不動産業2件(同100.0%増)が2年ぶりに、それぞれ前年同月を上回っている。

一方、製造業は4件(同60.0%減)で3年ぶり、小売業が4件(同33.3%減)で2年ぶりに、それぞれ前年同月を下回る結果だった。

「事業継続には、後継者育成や事業承継が重要となっている。業績不振に陥った中小・零細企業は、人的・資金的な余裕がなく、決断の遅れから倒産に向かう可能性が高い。それだけに、自治体や金融機関などが中小・零細企業に寄り添ったサポート体制が急務になっている」と同社。