マンチェスター・ユナイテッドは24日、イギリスの多国籍化学企業『INEOS(イネオス)』の会長を務めるサー・ジム・ラトクリフ氏が25パーセントを上限とする株式取得に合意したことを発表した。
2005年にマンチェスター・ユナイテッドを買収した現オーナーのグレイザー・ファミリーは2022年11月に売却を含め、あらゆる戦略的選択肢を検討するプロセスを開始したことを発表して以来、新オーナー候補による入札や話し合いが行われていた。なかなか進展していなかったものの、昨年チェルシーの買収にも動いていたラトクリフ氏が株式の25パーセントを購入する契約に合意したことが発表された。
イギリスメディア『BBC』によると、ラトクリフ氏はマンチェスター・ユナイテッドの株式25パーセントを約13億ドル(約1852億円)で購入することで合意。さらに、『INEOS』はフットボール部門の管理責任を委譲されるほか、クラブの将来に向けて約3億ドル(約427億円)を追加投資する予定であることも発表されている。なお、これらの取引完了にはプレミアリーグを含むすべての必要な規制当局の承認を得ることが条件であることも明らかになっている。
株式譲渡が決定したことを受け、共同会長とディレクターを務めるアヴラム・グレーザー氏とジョエル・グレイザー氏はクラブ公式サイトで以下のようにコメントを発表している。
「サー・ジム・ラトクリフおよびINEOSとこの契約に合意できたことを嬉しく思っている。2022年11月に発表した戦略的見直しの一環として、私たちはマンチェスター・ユナイテッドを強化するために様々な選択肢を検討し、男子、女子、アカデミーの各チームに成功をもたらすことに重点を置くことを約束した」
「サー・ジムとINEOSは、クラブに豊富な商業経験と多大な資金提供をもたらしてくれる。そして、マンチェスター・ユナイテッドはINEOS Sportを通じて、エリートチームの創設と指導の経験を持つ、経験豊富なハイパフォーマンスの専門家を、フットボール界の内外から利用できるようになる。マンチェスター・ユナイテッドには、クラブ全体に才能ある人材が揃っており、私たちの素晴らしいファンに将来さらなる成功をもたらすために、あらゆるレベルで常に向上していくことが私たちの願いです」
そして、株式を取得したラトクリフ氏もクラブ公式サイトで以下のようにコメントしている。
「地元出身として、そしてクラブの生涯サポーターとして、マンチェスター・ユナイテッド取締会とクラブのフットボール運営の管理責任を委任する契約に合意できたことを大変嬉しく思っている。クラブの商業的な成功により、常に最高レベルのトロフィーを獲得するための資金が確保されてきた一方で、ここ数年はこの潜在的な可能性が十分に発揮されていなかった。私たちは幅広いINEOSスポーツ・グループ全体から世界的な知識、専門知識、才能を集結して、クラブのさらなる改善を促進するとともに、オールド・トラッフォードへの将来の投資を可能にする資金も提供する」
「私たちは長期的にここにいるが、これから多くの課題と大変な努力が待ち受けていることを認識しており、厳格さ、プロフェッショナリズム、そして情熱を持って取り組んでいきます。理事会、スタッフ、選手、ファンなど、クラブのすべての人と協力してクラブを前進させるために全力で取り組んでいくことを約束する」
「私たちの共通の野心は明らかだ。私たち全員が、マンチェスター・ユナイテッドがイングランド、ヨーロッパ、そして世界のフットボールの頂点に戻るところを見たいと思っている」