2023年12月22日、『仮面ライダーガッチャード』と『仮面ライダーギーツ』の主要キャストと山口恭平監督が映画『仮面ライダーTHE WINTER MOVIEガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』の公開初日舞台挨拶(丸の内TOEI)に登壇し、見どころ満載の作品となった本映画の裏話を熱く語りあった。

  • 上段左から、青島心、星乃夢奈、バッファケミー(声:杢代和人)、藤林泰也、安倍乙、富園力也、熊木陸斗、山口恭平監督、下段左から、佐藤瑠雅、簡秀吉、本宮泰風、本島純政、松本麗世

■映画『仮面ライダーTHE WINTER MOVIEガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』公開初日舞台挨拶

今回の映画は、人工生命体「ケミー」を捕獲し、カードに封印する使命を帯びた錬金術師が活躍する『仮面ライダーガッチャード』と、それぞれの「願い」を叶えるため、複数の仮面ライダーが困難なゲームの勝利者を目指す『仮面ライダーギーツ』がコラボした作品。最強のケミーと呼ばれるレベルナンバー10のケミーがいくつも登場するほか、ギーツケミーをはじめとする『ギーツ』ライダーたちのケミー化現象、最大の敵に立ち向かうべくガッチャードとギーツが力を合わせて戦うバトルシーンなど、さまざまな見せ場が用意された大娯楽映画となっている。

MC(宮島咲良)の呼び込みで、キャスト陣と山口監督が客席後方より登場。かけつけた 大勢のファンたちを興奮させた。

まずは『仮面ライダーガッチャード』チームをご紹介。全てのケミーと心を通わせたいという夢に向かって突き進む高校生・仮面ライダーガッチャード/一ノ瀬宝太郎を演じる本島純政。宝太郎の同級生にして、錬金アカデミーで学ぶ錬金術師・九堂りんね役の松本麗世。超A級錬金術師で「笑えないジョークだ」が口癖のクールな男、ヴァルバラドに「鉄鋼」する黒鋼スパナを演じる藤林泰也。宝太郎やりんねの先輩で、バイタリティに満ちた関西ノリが持ち味の銀杏蓮華役・安倍乙。

蓮華とのコンビでケミーを捕獲する錬金術師。非常に声が小さいため、AI「アイザック」を通して他者とコミュニケーションを取る鶴原錆丸を演じる富園力也。錬金アカデミーで宝太郎たちを教育し、あたたかく見守る指導者ミナトを演じる熊木陸斗。

続いて『仮面ライダーギーツ』チームの挨拶。映画ではりんねとコンビを組んでケミー捕獲ゲームに参加する仮面ライダーギーツ/浮世英寿を演じる簡秀吉。映画ではタイクーンケミーに変わってしまい、宝太郎とコンビを組む仮面ライダータイクーン/桜井景和役・佐藤瑠雅。ナーゴケミーとなり、蓮華・錆丸と一緒に行動する仮面ライダーナーゴ/鞍馬祢音を演じる星乃夢奈。

かつて「デザイアグランプリ」のナビゲーターを務めた神秘的な美女・ツムリを演じる青島心。『仮面ライダーガッチャード』テレビシリーズ第11話から登場し、映画でも重要な動きを示す錬金連合の調査官・釘宮リヒト役・本宮泰風。本作のメガホンを取った山口恭平監督。

■映画初日を迎えた心境をキャストが語る

本島は、映画の初日を迎えた現在の気持ちを「ついにこの日が来たか! という感情です。毎日、スタッフとキャストが全力で頑張っていた、その熱量が映画を通してみなさんに伝われば嬉しい」と、テレビシリーズと並行して作り上げた盛りだくさんな要素の作品を、ファンの方々に見せられたことの喜びを熱く語った。

簡は『ギーツ』テレビシリーズ終了、そして「ファイナルステージ」を終えて数カ月後となるキャスト陣を見て「ひさしぶりにギーツの世界に戻れて嬉しい。久しぶりのみんなはすごくカッコよくなって、素敵になって……」と、再会の喜びを表した。

本宮が『仮面ライダー』シリーズに出演するのは、2004年放送の『仮面ライダー剣(ブレイド)』(伊坂/ピーコックアンデッド)以来のことだという。本宮は「(本島が)20年前は生まれていなかったと聞いて驚きました(笑)。山口監督は『仮面ライダー剣』のころは助監督で、今回懐かしい再会を果たすことができました。あのころ僕の変身後を演じてくれた永徳くんが、今や仮面ライダーガッチャードのスーツアクターをやっているのを知り、感慨深いです」と『仮面ライダー』シリーズで活躍するスタッフ、スーツアクターたちとの再会に喜びを示した。

本島との共演について本宮は「この子は天才だと思っています。感覚的というか、うまく表現しようがない。これからバンバン活躍すると思いますので、よろしくお願いします。僕とは、ほとんど会話が出来なかった(笑)」と、感覚的な芝居をぶつけてくる本島の無限の可能性を絶賛。本宮の「(本島とは)会話ができない」という意見には、周りの『ガッチャード』キャストもうなずくのみで、この反応を見た本島が苦笑いしながら少しうろたえる場面が見られた。

そして本宮は、映画で共演した簡を評して「ちゃんと考えて演技ができている。本島くんとは別のベクトルを持ったいい俳優」だと語った。しかし、すかさず簡が「はい! 考えてできる男です」と本宮の言葉に自分のアピールを重ねてきたので、本宮が「調子に乗んなよ(笑)」と絶妙なリアクションをして、周囲を笑いに包んだ。

■りんね「仮面ライダーマジェード」に変身

今回の映画では、強大な力を持つ敵に対抗するすべを持たず、ずっと仮面ライダーやヴァルバラドに守られてきたりんねが、ついに自ら「戦う力」を手にし「仮面ライダーマジェード」に変身するというのが大きなトピックスとなった。

映画で初お目見えを果たした仮面ライダーマジェードの勇姿。松本は「小さいころから仮面ライダーが大好きでしたので、自分がライダーに変身できて嬉しかったです。変身シーンはとても緊張しましたけど、ツムリ(青島)さんが近くにいてくださったので、リラックスできました」と、青島が松本の緊張をほぐしてくれたことを明かした。

藤林は映画で印象に残った部分として「ケミーと芝居をしたこと」を挙げ「ふだんは目の前に相手がいる状態で演技をしますが、今回はケミーに話しかけるなど、ケミーのことを想像しながら芝居を作っていかなければならなかった。とてもいい経験になりました」と、実際には動いたり喋ったりしないケミーを相手に演技をすることの難しさ、楽しさをふりかえった。

安倍は「映画の中で、蓮華と錆丸とスパナがふだんと180度と違うキャラになって登場するところ。休憩中に3人で相談し合い、本番でテストとぜんぜん違った芝居を出しました」と、アドリブ全開で挑んだ3人のコミカルなシーンのことをアピールした。山口監督は「ほとんど3人のアドリブで、本番直前になって出してきたからビビったけど、ありがたかったね」と、安倍たちのアイデアが込められたシーンを称えた。

富園は印象に残ったシーンとして「今回はめっちゃ強いケミーがボンボン出てきます。僕はそういう展開が大好きなので、観ているだけでワクワクしてしまいました。レベルナンバー10のケミーが5体出てきますが、スピードの速いやつ、攻撃力のあるやつなど、どれが好きかな、といった『推しケミー』ができるんじゃないかと思います。映画をご覧になって、今まで以上にケミーの魅力を感じてほしい」と熱く語り、劇中の錆丸にも負けないほどのケミーへの愛着と情熱をあらわにした。

佐藤は今回の映画でタイクーンケミーになったことについて「ケミーになっても出番がいっぱいあって、よかったです。タイクーンケミーはかわいいですし、嬉しかった。姿は違っていても、中身は景和ですから、宝太郎とコンビを組んでいろいろ難関に挑んでいくところが面白かった」と、宝太郎とのコンビで困難に立ち向かっていったことへの感想を述べた。本島も宝太郎と景和のコンビについて「似ている者同士のペアだなと思いました。僕らのアクションも見どころです」と、映画での名コンビの活躍を強調した。

星乃もナーゴケミーになった感想を問われて「とてもかわいかったです。ナーゴケミーはタイクーンケミー(佐藤)と一緒にアフレコをしたんですけど、小さい身体ですからふだんの祢音とはほんのちょっと声色を変えています。映画を何度も観ていただき、祢音のときとナーゴケミーのときの声の違いを確認してください」と、ケミー状態のキャラクターをも大切にする芝居心を示した。

熊木は本宮との共演について「気軽に質問ができるような空気を作ってくださいました。いろいろとアドバイスをもらって、やりやすい現場でした」と先輩の本宮に助けられたことを打ち明けた。この言葉を受けた本宮は「今のコメント、100点です!」と熊木をさらに称え「若いキャストが多い中、彼(熊木)がいてくれて助かったところがあります」と続けた。

好きなケミーは? と尋ねられた青島は「ザ・サンとユニコンです。りんねちゃんがこの2枚のカードを手にする撮影に、私も立ち会っていたので、思い入れのあるケミーになりました。りんねちゃんが変身するとき、とても緊張していたので『大丈夫。思いっきりやればいいよ』って声をかけたんです。私は変身してなかったんですけどね(笑)」と、松本に優しいアドバイスをしたときの状況を改めて語った。松本は「先輩が近くにいてくださっただけで、心強かったです」と、青島の存在こそが何よりも励ましだったと笑顔を向けた。

山口監督は、こわだりのシーンとして「レベルナンバー10のケミーたちが大暴れするところ」を挙げ、「テンフォートレスの砲撃を受けて、ひたすら走るガッチャードとタイクーンという場面は2回やりたくて、ねじこんだところがあります。あそこは特にこだわった部分です。あと、テンフォートレス内部で英寿・りんねが『食事』をするシーン。あそこはご覧になった方たちが思わず、彼らと同じものが食べたくなるような演出を心がけました」と、盛りだくさんな要素が詰まった映画の中でも、特にこだわった部分を明かした。

また、刑事になった景和が取り調べをしているシーンでは、山口監督自身が役に扮して出演しているという。これについて山口監督は「渾身の芝居をしましたね(笑)。ほんとうはタイクーンのスーツアクターをしていた永徳さんに出てもらうつもりだったんですが、永徳さんが『ガッチャード』のテレビシリーズのほうに行くことになり、急きょ『じゃあ俺が演ります!』って言ったんです」と、とっておきの裏話を打ち明けた。

■2024年への意気込みも

2023年をふりかえり、来たる2024年をどんな年にしたいかという問いについて、簡は「来年は健康でみなさんをいっそう楽しませるよう、頑張ります」とシンプルに答えた。続いて本島は「僕にとって今年は新しい経験をいっぱいすることができました。これを活かして、来年はより成長した宝太郎と本島純政を見せることができたらなと思っています!」と目をキラキラと輝かせながら抱負を語った。

そのコメントを聞いた簡は、すかさず「僕、言い直してもいいですか? よりいっそう成長した簡秀吉をお見せしたい……」と、本島の言葉に影響を受けまくったコメントを重ね、「ズルいっすよ先輩!」と本島からツッコまれていた。

本宮も来年の抱負として「現状維持できればいいかな。健康でいられたら幸せです。みんなも身体に気をつけてがんばって」と語り、キャスト陣に気をくばる優しさを示した。

続いて、マスコミ向けのフォトセッションが行なわれることに。その直前、仮面ライダーバッファ/吾妻道長を演じて映画でも活躍する杢代和人の「声」が響いてきた。映画でバッファとコンビを組んだ藤林が連れてきたのは、なんとバッファがケミー化した「バッファケミー」だった。自分の身体を邪険に扱う藤林に、バッファケミーは「モ~~ッ」と不満そうな叫びを放った。

改めてマイクを手にした本島は「スケールが大きく、感動やハラハラなどが盛りだくさんな映画です。仲間との『絆』という大きなテーマがみなさんに伝わっていれば嬉しいです。魅力がいっぱい詰まっていますから、何度でも映画館に足を運んでガッチャしてください!」と語り、一度ならず二度、三度楽しめる映画になっているとアピールした。

簡は「個性豊かなメンバーがそろった、面白い映画になっています。お正月もどうぞ楽しんでください。ギーツの集大成であり、ガッチャードの初映画。たくさんの方たちに観ていただけたら嬉しいと思います! ……あと、ひとつ何か言おうとしてたんですけど、忘れました(笑)!」と話す内容を飛ばしてしまいながらも、仮面ライダーファンの方々がぞんぶんに楽しめる映画を観てもらいたいと話して、最高の笑顔を決めた。

『仮面ライダーTHE WINTER MOVIEガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』は12月22日から全国劇場にて上映中。

「ガッチャード/ギーツ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映