今季、巨人の外野手で100試合以上外野守備に就いた選手はご存知だろうかーー。
答えは112試合(外野手として)に出場した丸佳浩、1人しかいない。今季は慣れ親しんだセンターからライトにポジションを移しスタートしたが、新外国人のブリンソンが振るわず、結局シーズン最終盤には丸がセンターで出場していた。
打撃面では今季は広島時代の2012年以来、規定打席に届かなかたものの、まだまだ丸の存在が必要なのがわかる。若手選手に期待したいが、今季の開幕直後のオコエ瑠偉がそうだったように、瞬間的な爆発力はあるものの、シーズン通して“安定感”という部分ではオコエに限らずまだまだ足りない。今季成績が落ちたとはいえ、広島時代を含めて一軍の舞台で10年以上結果を残してきた丸が優先的に起用されたのも理解できる。
ただ、丸自身も好不調の波が年々大きくなっているのも事実。今季は打率.244、18本塁打、47打点、出塁率.316。4月終了時点の打率は.180、1本塁打、4打点の低調なスタート。5月に9日のDeNA戦から3試合連続複数安打、16日のヤクルト戦で4安打打ち、打率を.262まで上げた。これで調子を上げていくかと思われたが、23日のDeNA戦から31日のロッテ戦にかけて8試合連続無安打。5月終了時点の打率も.217だった。
月が変わった6月1日のロッテ戦で2安打すると、同日から5試合連続安打、8日のオリックス戦から再び5試合連続安打したが、6月の月間打率は.257。7月は月間打率.296と打ったが、8月が月間打率.225、9・10月が打率.257と、月間打率が3割を超えた月が1度もなかった。
丸の武器のひとつといえば選球眼の良さ。巨人に移籍した19年以降、四球は86、63、63、80と毎年60個以上四球を選んできたが、今季は42個。打席数が昨年より減ったとはいえ、四球の数が半分近く減っているのは気になるところ。
丸は来年の4月で35歳を迎え、ベテランと呼ばれる年齢だ。来季、このまま下降線を辿ってしまうのか、もう1度もち直し、持ち前の安定感を発揮するかの分岐点になりそうだ。秋広優人、浅野翔吾、萩尾匡也、岡田悠希、ドラフトで入った佐々木俊輔といった期待の若手外野陣がいる。さらには丸より1学年上の梶谷隆幸もいる。走塁、守備も大事だが、外野手に求められるのは、とにかく打つこと。来季は打って、丸佳浩ここにありという姿を見せることができるか注目だ。