◆ 規定投球回クリア&日本シリーズ登板も3年連続
オリックスの宮城大弥投手(22)が12月19日、大阪市内の球団施設で契約更改交渉に臨み、8000万増の1億6000万円でサイン。高卒5年目を迎える投手としては当時1億5000万円だった山本由伸投手を超える“球団最高額”となった。(金額は推定)
会心の大幅アップだ。4年目の今季は侍ジャパンの一員として3月のWBCから本格稼働。同大会の出場は1試合のみだったが、一次ラウンドのチェコ戦で救援登板し5回1失点と好投した。チームに戻ると開幕7戦目の日本ハム戦で初登板し、6回1安打無失点の快投で初勝利。8月は5試合で月間防御率1.30をマークし月間MVPに選出された。9月は発熱による特例抹消があったものの、レギュラーシーズンは10勝4敗、防御率2.27でフィニッシュ。リーグ最多の3完封を記録しチームの3連覇に大きく貢献した。
3年連続登板となった日本シリーズでも、阪神との第2戦で6回4安打無失点と好投し白星。3勝3敗で迎えた第7戦は5回途中5安打5失点で敗戦投手となり、試合後のあいさつで涙を流す姿が印象的だった。最後は悔しい結末となったものの、高卒4年目も先発ローテーションの中心としてフル回転。大幅アップに相応しいシーズンだった。
◆ 「外れ外れドラ1」から大躍進!
オリックスは2019年のドラフトで、沖縄・興南高のエースだった宮城を獲得。1位の抽選で最初は石川昂弥(中日)を外し、2度目の河野竜生(日本ハム)も外れ。宮城は「外れ外れ」での1位指名だった。この年のドラフト同期で同じく高卒投手の目玉だった佐々木朗希は、ドラフト1位で4球団が競合しロッテへ、同じく3球団競合の奥川恭伸はヤクルトに入団した。
佐々木や奥川が慎重にプロでのキャリアを積む中、宮城は1年目から一軍で3試合に先発し、12球団の高卒新人一番乗りとなるプロ初勝利をゲット。2年目は規定投球回超えの147イニングを消化し、13勝4敗、防御率2.51の大活躍で新人王を獲得した。3年目の2022年も11勝8敗、防御率3.16をマークしチームのリーグ連覇&日本一に貢献。4年目の成績は上述した通りで、2年目から3年連続で2ケタ勝利&規定投球回クリア。日本シリーズも3年連続で登板しており、すでに通算2勝を挙げている。
オリックスは今オフ、エースの山本由伸がメジャーへ旅立ち、今季チームで山本に次ぐ11勝を挙げた山﨑福也は日本ハムへFA移籍。先発ローテの再構築は急務だ。それでも、今シーズン台頭した山下舜平大や東晃平らに加え、椋木蓮、曽谷龍平、齋藤響介ら楽しみな若手がズラリ。その中で22歳にしてプロ通算35勝を誇る宮城には、新エースとして先発陣を牽引するパフォーマンスが期待される。