ソフトバンクはこのオフ、課題にしていた“右打者”を補強した。
まずは11月6日に高橋礼、泉圭輔との交換トレードで巨人からウォーカーを獲得。ウォーカーは今季、6本塁打にとどまったが、巨人1年目の昨季は23本のアーチを描いた。ウォーカーの課題は守備だが、パ・リーグは指名打者制度を採用しており、指名打者での出場となれば、打撃に集中でき、昨季のような活躍に期待が持てる。
12月19日には西武からFA宣言した山川穂高を獲得。山川は13年ドラフト2位で西武に入団すると、3度の本塁打王(18、19、22年)、1度の打点王(22年)のタイトルを獲得し、18年と19年の西武リーグ連覇に貢献。18年にはMVPに輝いた。通算786試合に出場して、打率.256、218本塁打、575打点。
今季リーグ3位のソフトバンクは、チーム得点リーグトップの536、打率リーグ2位の.248、チーム本塁打リーグ2位タイの104本塁打も、柳田悠岐、近藤健介と主力打者に左打者が目立つ。
◆ 今季は甲斐が右打者チーム最多本塁打
直近4年を見ても、ソフトバンクの「右打者」の長距離砲不在が目立つ。
▼直近4年の右打者チーム最多本塁打
【2020年】
13本 松田宣浩
【2021年】
14本 松田宣浩
【2022年】
14本 デスパイネ
【2023年】
10本 甲斐拓也
19年にはデスパイネがチームトップの36本塁打、次いで松田宣浩が30本、グラシアルも28本と、20本以上本塁打を放った右打者を3人も抱えていたが、松田、デスパイネ、グラシアルの本塁打数が減少した20年以降は、右打者で20本塁打以上放った選手はなし。
今季に至っては、右打者のチーム最多本塁打が10本の甲斐拓也だ。リチャードがウエスタン・リーグで4年連続最多本塁打賞を獲得しており、期待の若手の一人ではあるが、一軍ではその壁をなかなか突き破れないのが現状だ。
山川は西武時代に3度の本塁打王、ウォーカーは巨人時代の昨季23本塁打放った。新天地となるホークスで、右の長距離砲として機能すれば、左の柳田、近藤、栗原陵矢とともに、右の山川、ウォーカーによる20本塁打クインテットにも期待だ。