三菱が新型トライトンのグレード名に、往年の「GSR」を使用した理由

三菱自動車は2023年12月21日、新型の1トン積みクラスのピックアップトラック「トライトン」を2024年2月15日から発売すると発表した。新型で特に目を引くのはグレード名で、上級グレードに「GSR」の名称を使用した点である。

【写真】初代ランサーGSRの勇姿

 

GSRは「グランド・スポーツ・レーシング」のイニシャルで、三菱ではギャランGTOやランサー、ギャランΣ(シグマ)、ギャランΛ(ラムダ)、スタリオンなどスポーツグレードの類別名として伝統的に使われてきた呼称である。その往年の名称がトライトンで復活したわけだ。トライトンの商品企画の責任者を務めるチーフ・プロダクト・スペシャリストの増田義樹氏にその理由を聞いた。

 

「日本市場向けに最上級グレードの特別な名前を考えるときに、いろいろ考えたんですけれども、やっぱり力強さと私たちが使っていた往年のGSRが一番ハマるのではないかという形で決めました。

 

じつはオーストラリアもGSRを使用しますが、トライトンを生産するタイでは最上級の類別名称は「アスリート」と呼んでいます。アスリートが日本では他社(編集部注:トヨタ)の商標で使えないという理由もあります。ではそれ以外では何かとなると、やはりこのGSRがハマるんじゃないかなと。皆さんにはまだ覚えていただいていると思います。

 

日本市場ではグレード名は「P」、「G」、「M」のように基本的にはアルファベット1文字で命名しているんですけれども、このトライトンではちょっと味気なく、ピックアップトラックにはアルファベット1文字はそぐわないなと思いました。

 

ちなみに、リヤのグレード名称のエンブレムにはこだわりましたね。グレード名のエンブレムは付けないときもありますし、ステッカーの場合もありますが、せっかくなのでバッジを作りましょうという企画チームからの提案により採用されたものです」

 

新型トライトンは、三菱らしさを体現する商品として開発されたが、グレード名に関しても三菱のスポーツモデルに使われてきた名跡をよみがえらせたのである。

〈文=ドライバーWeb編集部〉